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公開日:2024.02.23

多摩区予算案
「100年」機運醸成へ
総額13億円を計上

 川崎市は、2月6日に発表した2024年度当初予算案の局区別予算で、多摩区に前年度比1・8%減となる約13億148万円を計上した。23年度から進めている生田小学校下校庭の記念植樹や既存事業である「SHIGENARI」「多摩区スポーツフェスタ」を拡充して市制100周年の機運醸成を図るほか、災害対策や子育て、地域福祉などに配分。ナラ枯れの被害が進む生田緑地の維持管理事業も拡充する。

 多摩区予算案では、【1】地域資源の活用【2】災害対策・安全安心【3】子ども・子育て【4】地域福祉・健康【5】市民自治・地域人材―の5つの主要項目を設定して、まちづくりを推進する考え。

 【1】地域資源を活用した賑わいと魅力あるまちづくりの推進には前年度比約260万円増の約2478万円を計上。「観光振興・プロモーション推進事業」に約1552万円をあて、市制100周年記念事業として稲毛三郎重成を題材に歴史・文化などにふれるまち歩き謎解きゲーム「SHIGENARI」を拡充し特別版を実施する。また、「スポーツ推進事業」に前年度比約80万円増の約319万円を投入。Ankerフロンタウン生田を会場に加え、市制100周年事業として「多摩区スポーツフェスタ」を行う。区民らによるイベント「たま音楽祭」の実施により音楽を通じてまちの賑わい創出や地域交流の活性化を促すほか、区の魅力を発信する「ピクニックタウン多摩区」の取り組みも進める。

地域課題踏まえ防災

 【2】災害に強く安全で安心できるまちづくりの推進には前年度比約53万円減の約476万円を投じ、自主防災組織、避難所運営会議などへの支援、区民の防災意識醸成を進める。あわせて川沿いは浸水、山あいでは土砂災害の危険性がある区の地域特性に応じた訓練を計画。区危機管理担当は「避難所として指定されている小中学校を会場に地域課題を踏まえた訓練を行いたい」と話す。

 【3】たまっ子を区民みんなで育てるまちづくりの推進には、前年度比約15万円減となる約593万円を計上。「たまたま子育てまつり」の開催や「多摩区地域子育て情報BOOK」の発行、外遊び交流事業などにより、子育てに関する情報を幅広く周知したい考えだ。

 【4】すこやかに安心して暮らせる地域福祉・健康のまちづくりの推進には前年度比69万円増の約577万円をつけ、「認知症サポーター養成講座」など地域包括ケアシステムの構築に向けた取り組みや区内の障害者団体の活動紹介や作品展示を行う「パサージュ・たま」の開催などにあてる。

生田小下校庭植樹へ 

 【5】市民自治を一層進める地域人材によるまちづくりの推進には前年度比136万円増の約1771万円を投じる。拡充事業として生田地区コミュニティ推進に前年度比約20万円増の約252万円を計上。24年度に地域利用が開始される生田小学校下校庭の新広場に、市制100周年の記念植樹を行う。樹種は2月9日まで実施された区民投票で決定し、2月中に発表予定。そのほか、多摩区ゆかりの専修大学・明治大学・日本女子大学と地域との交流や連携を図る合同コンサートなどの取り組み、多摩区ソーシャルデザインセンターと連携して地域で活動する団体などの支援を進める。

 公園緑地・街路樹の維持管理には前年度比約4140万円増となる約2億4218万円を盛り込んだ。市制100周年にあわせて開催される全国都市緑化かわさきフェアのコア会場となる生田緑地内にあり、ナラ枯れによる倒木、落枝の影響で昨年4月から全面閉鎖している野鳥の森の通路を一つ確保する。

 予算案について区企画課では、「市制100年の記念すべき年。多摩区の魅力をしっかり発信させていきながら、安全安心という区民の関心が高い部分を含めて取り組んでいきたい」と話す。

 なお、区予算案の減額に影響しているのは区役所等管理運営費で、前年度比約3440万円減の約4億2500万円。前年に比べて、光熱費などの高騰がやや落ち着いたことが主な要因という。

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