「麻生多摩美の森の会」の会長を務める 小田桐 浩さん 麻生区高石在住 78歳
育てる力 地域に還元
○…川崎市と協力しながら、約40人の会員と共に多摩美にある「麻生区市民健康の森」の保全、育成に勤しむ。会長として舵取り役を任されて丸1年。無我夢中で活動に向き合い続けたこともあってか、4月初旬に行われた子ども向けの体験会には、例年より20人近く多い参加者が森に足を運んだ。「初めて多摩美の森の自然にふれる人も多かった。今後もさまざまな人に楽しんでもらえれば」と更なる盛り上がりに期待を込める。
○…18歳で地元・青森県を離れた後は、保険会社に勤務し全国を飛び回った。転勤した数は16回。中でも特に印象深いのは、幹部候補の育成を行う主任教官を任された時だ。「叱りつけるだけでも、おだてるだけでもだめ。人の上に立つための人間性を養うための教育を心がけた」
○…一線を退くと、「お隣さんのこともよく知らない」状態だったことに気付く。新たな居場所を探していた時に見つけたのが、現在所属する会と似た活動を行う「多摩美みどりの会」のチラシ。早速連絡をとり、豊かな緑の中で地域活動に従事する日々が始まった。5年前には両会の橋渡し役として情報共有をするため、現在の会にも入会。昨年新たに15人の新メンバーを迎えた今、目指すところは健全な人材育成だ。自身の経験を生かし、次世代を担う仲間の大成を願う。
○…2カ月に1回、現役時代の仲間たちと「たわいもない話」を肴に酒を酌み交わすのが楽しみの一つだ。3人の子どもの話になると「家族の仲が良い。これは自慢できる」と前のめり。正月に孫を連れて顔を出し、記念日には贈り物をしてくれる我が子の優しさに目を細める。「家内とこのまま良い距離感で健康に」。日常に溢れた幸せを噛みしめ今を生きる。
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6月13日