人口が25万人を突破した中原区の中で、「住みたい街ランキング」でベスト5入りするなど注目を集めている武蔵小杉。90周年を迎えたJR南武線、横須賀線、湘南新宿ライン、成田エクスプレスが乗り入れ、東急東横線、目黒線など、都心や横浜へも好アクセスのターミナル駅だ。ここ数年で一気に進んだ市街地の再開発は、今や駅南口から北口へ移行し、来年4月には大型コンベンション施設が入るタワーマンションも完成予定だ。
そんな急激に変貌する街を後世に残そうと、今昔をまとめた著書「中原街道と武蔵小杉―写真で綴る周辺の今昔―」を出版しているのが羽田猛さん(82)だ。上の写真は、羽田さんが、昭和41年に小杉会館(現・小杉ビルディング)の屋上から武蔵小杉駅周辺を撮影したもの。左右に伸びるのが東横線で、中心手前から左奥へ延びるのが南武線。左下が今の南武線北口バスロータリーの辺りで、写真の右下は中原図書館が入るタワーマンションの位置となる。左側の上下に走るのは当時まだ開通していなかった南武沿線道路だ。
昭和初期、「武蔵小杉駅」は府中街道と路線が交差する辺りにあり、今の武蔵小杉駅は周辺にグラウンドが多かったことから「グラウンド前駅」といわれていた。南武線は昔、私鉄で南武鉄道といい、当初は中原街道に沿って鉄道を走らせる計画だったが、住民の反対を受け現在地へ変更されたという。
また、東急東横線と府中街道が交差するところには昭和14年から28年まで「工業都市駅」があり、綱島街道沿いには多数あった工場の従業員の通勤に利用されていた。いま賑わいをみせる商業施設「グランツリー武蔵小杉」の場所にあったのは、新聞輪転印刷機大手の(株)東京機械製作所玉川製作所。昭和12年に建てられ、平成23年に木更津へ移転した。
こうした地域史の研究を50年以上続けてきた羽田さん。今昔を全258頁にまとめた著書は、北野書店本店(鹿島田駅直結)で販売されている。
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