かわさきFM(79・1MHz)を運営する「かわさき市民放送(橋本夏代代表取締役社長)」が3月10日、世田谷区と横浜市でコミュニティーFMを放送する3社で連携協定を締結した。災害時の情報ライフラインとしての役割を果たすため、平常時から相互に情報共有を図る。
かわさきFMが連携を結んだのは、エフエム世田谷(83・4MHz)を運営する「世田谷サービス公社(田中茂代表取締役社長)」と、横浜市青葉区を中心に放送しているFM Salus(84・1MHz)の「横浜コミュニティ放送(佐藤信代表取締役社長)」。都心と神奈川を結ぶ大動脈である国道246号線沿いに、地域の観光やイベントなどの情報共有を相互に図り発信していくことで、東京〜川崎〜横浜間を移動するリスナーにとっての連続した情報供給を目指す。
連携のきっかけは、2016年4月に発生した熊本地震。被災地で24時間放送を続けた熊本市のコミュニティーFM局「熊本シティエフエム」を訪れた世田谷サービス公社のスタッフによると、放送では開店しているコンビニや営業しているガソリンスタンドなど、災害情報ではなく生活情報を届けたという。「夜には地元小中学校の校歌を流したという話が印象的だった。こういう役割を担っていかなければと感じた」と田中社長。
国道246号線は、8年前の東日本大震災発生後に帰宅困難者で溢れた幹線道路の一つ。トイレや水を提供する災害時帰宅支援ステーションの場所や向かう先々の道路状況など、歩く人に継続した情報を届けることへ課題がある。
橋本社長は「災害時だけの連携ではうまくいかない。3社で日頃から情報共有し発信することで、いざという時にも力を発揮できるはず。そのためにも、普段から聞いてもらえる番組づくりも大切と考えている」と話した。
今後は4月から、具体的な企画や番組に向けて話し合いが始まるという。
かわさきFMは災害時に緊急放送を行うことなどを主な目的として、1996年7月に開局。8年前の東日本大震災発生時には、緊急放送に切り替え、川崎市危機管理室からの情報を元に夜通し生放送を行った。
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