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中原区 人物風土記

公開日:2020.04.17

子ども向けの絵本『いきものづくし ものづくし』の絵描きの一人に抜擢された
なかの 真実さん(本名:中野真実)
木月大町在住 35歳

絵で勇気を届けたい

 ○…絵描き人生で一番の大仕事。児童書の大手・福音館書店の新シリーズ、様々なテーマを絵で紹介する『いきものづくし ものづくし』の画家の一人に抜擢された。描いたのは「しろくろのいきもの」と「さるのかお」。愛知県のモンキーセンターに泊まりこんだり、近隣の水族館を周って入念な取材を行った。プロとして「納得する絵が描けた。今が新たなスタートライン」と清々しい表情を見せる。

 ○…高2の頃、モノクロの絵本作家エドワード・ゴーリーの作品を目にし、ペン一本で描かれる世界に惹き込まれた。絵本作家を目指して美大で学び、デザイン会社等での勤務を経て、28歳で独立。物語性のある動物のモノクロ絵が評判を呼び、グッズデザインや本の挿絵を依頼されるように。だが、一昨年スランプを経験。「絵描きなら何でも描けないといけないのにカラーが描けない」。色彩感覚に自信が持てず、一から訓練しているときに同社からフルカラーの依頼が舞い込んだ。新たな挑戦だと夢中で取り組み、完成した頃には一歩成長を感じた。

 ○…住吉小、今井中、住吉高出身の生粋の中原っ子。幼い頃から、渋川の桜並木と多摩川がお気に入りだ。多摩川で見つけた渡り鳥は、写真を撮って家で描くことも。「動物と目が合うと描きたくなる」とほほえむ。

 ○…3年前、絵本作家の舘野鴻氏に師事したことが転機に。第一線で活躍する舘野氏の仕事ぶりを間近で見て、「絵を描くこと」の意味が変わった。「ただ描くだけなら上辺の作業。見た人に勇気や感動、活力をもたらす絵にしなければ」と決意を見せる。目標は絵本を出すこと。「時間がかかっても、誰かの役に立つ一冊を届けたい」。大きな夢に向け、新たな一歩を踏み出した。

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