法政大学重量挙げ部を11年ぶりに東日本制覇に導いた 小平 紀生さん 上小田中在住 80歳
勝利と育成に精魂込め
○…木月に合宿所を構える法政大重量挙げ部を率いて半世紀。今月行われた東日本大学対抗の団体戦で、11年ぶりの優勝に導いた。喜んだのは「一瞬だけ」とし、「監督は常に次の試合を見据えるもの」と冷静。根底にあるのは、強豪校としてのプライド。「2位も最下位も負けたという意味では同じ。法政大は勝利だけを目指す」。冬の全国大会に向け、18人の部員を鼓舞する。
○…3歳から上小田中に住む。法政二高在学時に重量挙げを始め、法政大へ。3年で伸びしろの限界を痛感し退部を考えるも、キャプテンの提案でマネジャーに転身した。「好きという気持ちだけで続けるのがしんどくなり始めた時期。サポート側に回り、また競技に楽しさを見出せた」。4年時に東京五輪が開催され、ボランティアを務めた。「世界レベルを生で見られて興奮した。今回もどんなドラマが生まれるか楽しみ」
○…22歳で事務用品などを扱う会社の営業マンに。2日に一度は先輩に付き合い朝まで飲むため、会社のロッカーには常に清潔なワイシャツが2枚。「見た目はきちんとしないとね。喋ると酒臭かっただろうけど」と豪快に笑う。今も毎日飲み、気分転換。孫と乾杯するのが楽しみで、「あと10年。男同士で語り合える日が待ち遠しい」と未来を描く。
○…座右の銘は「凡事徹底」。恩師と慕う大学時代の教授に学んだ生き様で、「マナーや教養を叩き込んでくれた。指導側になり、存在のありがたさを改めて感じている」と思いを込める。教え子が教師になり、先日重量挙げ部を発足したと知らせが届いた。「競技に携わり続けているのがうれしい。いつかメダリストを誕生させられたら」。若者の未来を輝かせるため、進み続ける。
|
|
|
|
|
|
4月19日
4月12日