中原区 社会
公開日:2022.08.26
緑ヶ丘霊園
「竹製トレイ」で火災激減
水場に設置、意識高まる
2020年12月から21年3月にかけて、12件の火災が相次いで発生した市営緑ヶ丘霊園(高津区)。同園は対策として、線香点火時に使用する竹製のトレイを水場に設置するなどした結果、発生件数の大幅減に成功している。
火災原因の大半とみられるのが、線香点火後の不始末。着火時にはトレイを使ったり、墓参りの後に水をかけ消火を確認するのがマナーだが、区画外の芝生の上で線香に火をつける墓参者の姿が散見されたという。
同園は昨春、マナー違反の注意喚起をする看板を約60カ所に設置。霊園事務所では、防風ライターやトレイの貸出も始めた。同時期に就任した佐田彰生所長は、園内で自生する竹に着目。地元の清風福祉会社会復帰訓練所に依頼し、竹製の線香トレイを完成させた。
この竹製トレイは、市内業者らで組織される川崎石材商工業組合のアドバイスを受け改良。当初の貸出場所は事務所だけだったが、墓参者が立ち寄る園内92カ所の水場に設置するように。トレイ使用の意識向上につながり、返却もしやすくなったという。
昨年3月から今年8月上旬までの火災は1件にとどまっている。芝生が枯れて燃えやすくなる冬場を前に、佐田所長は「より一層(トレイの)利用促進に力を入れていければ」と話している。
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