中原区 意見広告
公開日:2023.07.28
市政報告
「釣池」の浄化は可能か?環境改善の取組みについて
川崎市議会議員 松原しげふみ
等々力緑地には昭和46年に供用が開始された3万3千平方メートルを誇る「釣池」があり、多くの釣り人で賑わっております。また、固有の美しい風景や景観は市民の心身を癒し、地域に欠かせない空間としての機能を有し、近隣都市にはない貴重な財産であると自負しております。しかし、供用から52年が経過した「釣池」の現状を見るにつけ、憂慮せずにはいられず、将来に向けた環境改善についてその思いを綴らせていただきます。
ご承知の通り、現在等々力緑地は再編整備が進められており、陸上競技場は今後観客と競技者の熱狂を喚起する球技専用のスタジアムになり、アリーナについては様々なイベントに転換可能な施設計画となっております。その他すでに供用されている硬式野球場、令和元年東日本台風で被災した「川崎市市民ミュージアム」は取り壊し、多摩区の生田緑地「ばら苑」の隣接地に移転再建される事になります。事程左様に等々力緑地の再編は進められておりますが、遅々として進展しないのが「釣池」の整備であります。緑地内にある「釣池」は閉鎖性水域(外部との水の交換が行われにくい水域)であるため汚泥物質が堆積しやすく、汚泥が進行すると改善は容易ではありません。市では平成23年度に水質と底泥堆積物の調査を実施、令和2年度に底泥堆積物の調査を行っております。水質の調査結果については「溶存酸素濃度は生物の生息に適した濃度だが、水温の高い季節に『におい』『アオコ』などの植物性プランクトンが発生しやすい水質であり、濁りの一因となる浮遊物質が多い事に課題がある」との認識が示されております。また、調査結果から「底泥堆積物については一年間で平均して約4ミリメートルずつ堆積している状況」と推定しております。少し前になりますが平成28年に私が担当局に確認したところ、「釣り人による撒き餌や周囲からの土砂の流入、落ち葉などの腐食が原因で約1万1200立方メートルの体積物(ヘドロ)があると推定している」との事でしたので、堆積物はさらに増えているものと思われます。
担当局である市建設緑政局もこれまで手をこまねいていた訳ではなく、浄水処理を行う曝気筒や酸素発生装置をそれぞれ6基設置しましたが、平成29年度に全ての設備が故障し、以後補修を繰り返し行ってきたものの、現在はそれぞれ1基ずつが稼働している状況であり、故障している設備は年数の経過や老朽化が進んでおり、補修は不可能との事であります。市としては「釣池」の浄化については、お手上げの状態という事になります。
このような状況の中、市は本年3月31日、「等々力緑地再編整備運営事業」について『川崎とどろきパーク(株)』(東急ほか多様な専門性を有する企業8社により設立)と事業契約を締結しました。契約金額は税込632億5597万円で、4月1日から2053年3月末日迄の30年間、指定管理者として等々力緑地の運営管理を担ってまいります。私はこれまでも「釣池」の環境改善について市に求めてまいりましたが、いっこうに成果が見えておりませんので、この際「釣池水質浄化計画」を作成し、浄化の推進を図るべきと要望したところ、川崎とどろきパーク(株)が担う再編整備に向けた要求水準に於いて浚渫や干し上げなどの底泥改善を行う事も定めているので詳細について事業者と連携し検討の深度を図り取り組んでいくことになりましたが、環境改善は容易ではありませんし、人為的に「釣池」の環境を破壊してしまった責任は免れません。本来の自然豊かな「釣池」の再生なくして環境問題を語る資格はなく、今後の本市の環境問題を大きく左右する案件となりますので、最優先で速やかに取り組むことが必要であります。
松原しげふみ事務所
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