来年3月に公演する「なかはらミュージカル」の実行委員長に就任した 安西 学さん 上丸子山王町在住 53歳
未来へつなぐ架け橋に
○…市民参加型ミュージカルとして誕生した2012年からキャストとして劇団に携わる。「初めて与えらえたのが”主役級の役”で、すっかり演じることにはまってしまった」。長女が小3のときに一緒に入団し、毎年半数近いメンバーが入れ替わる中、気が付けば13年も舞台に立ち続けている。「実行委員長を引き受けたのは恩返しの気持ちもあるし、これまでの経験を伝えたいという強い思いから」
○…子どものころは、いつもニコニコしているクラスの人気者。そうじの時間にはほうきをギター代わりに演奏する真似をするなど、昔から人前で目立つことに抵抗はなかった。「ステージ上で演じるのは違う自分。あるときはやくざの親分、別の人生を歩んでいるような不思議な感じが魅力なんだよね」
○…大学卒業後は、商社に就職。学校のウェブサイトを立ち上げる仕事がきっかけで、子どもたちと接するうちに「教師になりたい」という気持ちが芽生えた。通信教育で学び直し、20代後半で教職免許を取得。30代で教員になり、今は幸区の小倉小学校で教壇に立つ。「なかはらミュージカルでは毎回川崎の昔話を取り上げているから、自分が役を演じることで児童への指導にも役に立っているよ」
○…区のスポーツ推進委員を務め、歩こう会やスポーツフェスなどの運営にも関わる。「夏は地域の祭りでみこしを担ぐことが楽しみ。みんなで盛り上がることが根っから好きなんだろうね」。来年3月の公演のテーマは多様性。劇団として、初めて未来に向けた物語を取り上げる。「川崎市の次の100年に向けたブランドメッセージでもある」。この一年で劇団の新たな土台を築き、未来へつなぐ架け橋になることができたら本望だ。
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