あさお芸術のまちコンサート実行委員長を務める 丸山 博子さん 白山在住 61歳
音楽が持つ力を信じて
○…12年前、区役所ロビーを活用した「あさおランチタイムコンサート」の実施を提案。麻生区在住の音楽家を集めたお昼のコンサートは反響を呼び、区内のホールを貸しきって実施するまでになった。規模が拡大し名前が「あさお芸術のまちコンサート」に変わっても、当初の思いは変わらない。「人々に音楽を通じた出会いを。活気があって、潤いのある生活を楽しんでもらいたい」。区役所を巻き込んで長年実施してきたコンサートも1月開催分でついに92回を数え、ようやく市民主導で運営できる体制が整ってきた。
〇…1951年、北九州市で生まれる。小学4年からピアノを習い始め、迷うことなく音大に進んだ。じっとしていることができない性格で、活発的な音楽人生を歩んできた。「ミュージカルの真似事をしたり、物語を音楽にのせて朗読したり。みんなが喜んでくれるのが本当に嬉しくて」。児童文化部ではちょっとしたスターだった。「音楽は皆を幸せな笑顔で包むもの」。求める音楽性は生涯、変わることがない。
〇…40代の頃、大病を患った。生死を彷徨う事態を経験し、これからは周囲の人を笑顔にし、自分も笑って暮らそうと決意した。人を笑顔にする方法を考えると、その延長線上には必ず音楽があった。現在、金程小学校で音楽専科の授業を受け持つのもその思いから。子どもたちに音楽の楽しみと、夢を与えたいと奔走する。
〇…最近、チェリストとして活躍する次男が初めての映画音楽に挑戦した。区内に自宅を構えたことでも知られる画家・中村正義の苦悩を映し出した大作に挑み、芸術家として同じようにもがく息子の姿を見守った。「本当に大変だったと思うけれど、この映画に出会えてよかったね、と声をかけてあげたい。音楽を通じ、正義画伯と触れ合えたんじゃないかしら。音楽ってやっぱりすごい力を持っている」
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3月15日
3月8日