2019(令和元)年度の川崎市自治功労者に選ばれた 井上 聰一(そういち)さん 下麻生在住 74歳
雰囲気のよい町を守りたい
○…「本当に先輩たちのおかげです。人間関係も優しく、街にいい雰囲気を作ってくれた。私はそれを壊さないようにしているだけ」。2009(平成21)年から自治会長を務め、麻生区町会連合会会計など要職を歴任してきた。
○…生まれも育ちも下麻生。「畑や田んぼが広がってね。木で作ったバットと紙のボールで野球ばっかりしていたよ」と懐かしむ。”甲子園”を目指し、高校は常連校の桜美林高校を選んだ。野球漬けの毎日で休みは年末年始の6日間だけ。「そのころは練習だけでなく、先輩後輩の関係も厳しくてね。でも、野球だけでなく、人生の大事なことはすべてグラウンドで教わったよ」という。惜しくも甲子園には行けなかったが、「何ごとも手を抜かない」気質は、その時に学んだ。
○…父親も自治会の役員を務めていた。「大変そうで、俺はそういうのはやらないようにしようと思っていたんだ」。40代で社会人になっても続けていた野球も、ヒジの手術などもあり、一線から退いた。地元の少年野球を教えはじめ、少しずつ地元との関わりを持つようになる。「先輩たちからも『学んだことを地元に還元しなきゃ』と言われてね。親父と同じだね」と笑う。
○…約1200世帯が下麻生自治会に加盟する。「平均年齢が高い地域の一つ。地震など、いざという時に備えて日ごろからのコミュニケーションが大切」という。さくら祭りや夏祭り、敬老会など多くの人が楽しめる年間行事のほか、気軽に楽しめる同好会のような活動にも力を入れる。「何事も役員の方や会員の皆さんが率先してやってくれるからね。安心して任せられる。私はずーっと受け継いできたこの素晴らしい雰囲気を守るだけ」
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