衆議院議員選挙の投開票が10月31日に行われ、前職と新人の4人が立候補した神奈川9区(麻生区、多摩区、宮前区の一部)は立憲民主党の前職・笠浩史氏(56)が8万3千票超を獲得し7選。前回僅差だった自民党の前職・中山展宏氏(53)は約1万5千票差で敗れ、比例代表で4度目の復活当選となった。
自民党と公明党の与党が過半数を維持する中、9区は立憲民主党の笠氏が小選挙区で勝利。日本維新の会の吉田大成氏(51)と、2度目の挑戦となった共産党・齋藤温氏(30)の新人2人は支持層を広げられず、議席獲得を逃した。
1日午前1時過ぎ、小選挙区での当選を確実にした笠氏は、登戸の事務所で支援者らにあいさつ。自民党の一強政治を変えることを念頭に、「コロナ収束やその後の社会の課題について与野党がきちんと論戦し、緊張感を持って国民の信頼に応えていくべきだと訴えてきた」と選挙戦を総括。「コロナ禍でいろいろな問題が浮き彫りになった。この逆境をどう生かして新しい社会をつくっていくか。弱い立場、厳しい状況に置かれている人に対して温かい政治をやっていきたい」と抱負を語った。
一方、5度目の挑戦で小選挙区での勝利を目指した中山氏は、登戸の事務所で支援者らと開票結果の行方を見守った。比例復活となった中山氏は「12年間支えていただき、どうしても小選挙区で勝ちたいという思いでやってきたが、申し訳ない気持ちでいっぱい。政権与党に対する有権者の気持ちを真摯に受け止める」との思いを表明。「国土交通副大臣として市に必要な公共事業に機能的、合理的に税を使い、市民の安全、利便性をつくっていきたい」と先を見据えた。
吉田氏は「自民、立憲共産ではなく、維新の持つ改革力に期待の反応を感じた。その期待をもっと自分が広げたかったが、結果的に力不足だった。神奈川でも比例で議席を獲得できた。政令市でも勢力を広げられるよう、自分ができることをやっていきたい」とコメント。動画配信に力を入れてきた齋藤氏は「再生10万回を超えた動画もあり、想像以上に賛同の声をもらった」とし、「選挙で今後につながる何かを残せるかが重要。社会がよくなるよう個々が行動を起こすきっかけをつくっていきたい」と語った。
9区全体の投票率は59・47%で前回を4・42ポイント上回った。麻生区は62・59%で前回比4・27ポイント増、多摩区は57・02%で4・56ポイント増だった。
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