麻生区 意見広告
公開日:2022.09.30
川崎市議会令和4年度第4回定例会報告 連載97
小児医療費助成制度拡充に向け一歩前進、でも?
みらい川崎市議会議員団 こば りか子
現在開会中の市議会定例会で小児医療費助成制度について、市長は「来年度中の拡充に向け検討を進める」と発言しました。横浜市の山中市長が公約に掲げていた「小児医療費助成制度の無償化」を発表したことが大きなきっかけとなりましたが、私たち会派も長年にわたり、所得制限の撤廃や、助成対象の拡充を訴えてきたので、今回「所得制限の撤廃・対象の拡充」を検討課題としたことは大いに賛同するものです。
しかし、これを実現させるためには様々な課題があることを皆様にも知っていただきたいと思い、そうした視点でご報告します。
拡充の影響額について
現行制度では、通院は0歳から小学6年生までを対象とし、1歳以上小学3年生までは「無償」ですが、所得制限が設けられています。さらに小学4年生から小学6年生までは、通院1回500円の一部負担金と所得制限が設けられ、令和4年度予算では、総額46億円が計上されています。なお、現行制度で所得制限により対象となっているのは12万3300人、対象外となっている人数は約3万2500人となっています。今後、所得制限と一部負担金を撤廃し、対象を小学6年生まで拡充した場合、予算総額は57億6300万円、影響額は11億6600万円、中学3年生まで拡充した場合は、予算総額65億4600万円、影響額は19億4900万円と試算されています。
医療証交付と償還払いについて
現在、小児医療費助成制度や重度障害、ひとり親家庭、ぜんそく患者等の対象者には医療証を発行しています。これは利用者の利便性を考慮したもので、全政令市や多くの自治体でも同様の対応となっています。ところが国は、「医療費無償化による受診拡大が医療保険制度全体の規律や、医療提供体制に与える影響を考慮するため」国民健康保険の国庫負担金減額調整額が設定されています。いわゆる「ペナルティ」で、令和3年度の本市の減額措置額は、小児医療費助成制度で約1363万円、総額約5億4650万円にのぼります。一方、「償還払い」という手法は、利用者が一旦窓口で治療費を支払い、後日、手続きをすれば全額返金される制度で、ペナルティを科せられることはありません。
そこで、中学生以上に対し、償還払いを導入することについて確認したところ、利用者の利便性への配慮と、償還払い導入のためのシステム改修に費用を要することから考えていないとのことでした。
県補助金について
私たち会派は従前より、「小児医療費助成制度は自治体間格差を生むものではなく、本来国が、国の責任において全国一律の制度として構築すべきである」と訴えてきましたが、それと同時に、神奈川県からの補助金が少なすぎることも看過できません。神奈川県は政令市が3市所在しているため、県民税収入の6割を3政令市で占めていることをご存じですか?こうした状況でありながら県からの小児医療費助成対象は未就学児に限られ、さらに補助割合も、県内一般市町村が3分の1であるにもかかわらず、政令市は4分の1しかないことも本市にとって大きな負担となっています。ちなみに令和4年度の県補助金額は、5億9500万5千円ですが、仮に補助率が3分の1になった場合の補助金額は7億9334万円となり、約2億円の差が生じています。租税負担の公平性の観点からも是正が必要であり、こうした課題等の解消を目指し、川崎市は、横浜市、名古屋市など12政令市と連携して「特別市」の法制度化を目指しています。
一部負担金の考え方について
先に述べたとおり、現行制度では、小学4年生以上小学6年生までの対象者には、受診時に1回500円という一部負担金が設けられています。一方、来年度から小児医療費助成制度の無償化を実施する横浜市は「所得制限、一部負担金の撤廃を表明している」との報道があります。
今後の本市の考え方を確認したところ、「制度の安定的かつ継続的な運用を図るため、維持すると考えている」との答弁でした。そこで「横浜市と川崎市という関係性の考慮と自治体間に差異が生じることについて住民理解が得られるのか。持続可能な制度として構築することは必要であることはいうまでもなく、需要が縮小しつつある保育所整備数の見直し、県に対し補助割合と対象年齢の見直しを求めること、国庫負担金減額措置の撤廃を国に対し求めること」を指摘しました。
普通交付税不交付団体の本市にとって、ふるさと納税に依る市税流出は100%本市の収入減につながります。令和4年度は103億円が見込まれています。
市民サービスの低下を防ぐため、市民の皆様もふるさと納税のあり方について今一度、考えていただけると幸いです。
みらい川崎市議会議員団 木庭理香子
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TEL:044-299-7360
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