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麻生区 人物風土記

公開日:2022.11.04

100周年を迎えた俳句の会「細山土曜会」の代表を務める
谷 文子さん
町田市在住 80歳

「俳句」に魅了 心の支え

 ○…松尾芭蕉の類縁とされる天野桃隣を祖する句会「太白堂桃家」。その流れをくむ「細山土曜会」は1920年に発足し、2020年に100周年を迎えた。コロナ下で2年遅れで記念句集を発刊。「100年も続く会は日本全国で珍しいんじゃないですかね」と穏やかな笑みを浮かべる。一方で、現在の会員は4人と年々減少。「伝統を絶やすのは簡単。できる限り続けていきたい」と会の存続を誓う。

 ○…幼少から文芸好きで、学校の教員を夢見ていた。大学の国文科を志すも、家庭の事情から断念。結婚後、千代ケ丘に移り住み、主婦業に専念していた。1990年に、地元で女性だけの句会「さざんか」が発足。友人に誘われ入会した。「好きなことをできることがうれしかった。このときの誘いがなければ、今の自分はいないですしね」と目を細める。

 ○…94年に「さざんか」が「細山土曜会」に合流。機関誌への投句も続け、腕を磨いた。2004年に「桃家」から俳号「三藤園文香」をもらい、宗匠に。5年程前に同会の代表になった。俳句を始めてから、自然への思いが深まり、観察することや、季節の移ろいを味わうことが楽しめるようになった。短い文の中に全部を語らずとも思いを込めることができるもの。その俳句の面白さと難しさに魅了され続けている。「今は心の支えになっています。これからもずっと続けていきたい」と笑顔で語る。

 ○…体力の低下を防ぐために、週に一度のリズム体操、散歩が日課。「景色も日々違うのが楽しくて」。大阪と都内に住む息子と娘の家族と正月に集まるのが今の楽しみだ。「元気になる句をつくりたい。会の継続と、地域文化発展にも寄与していければ」。俳句づくりは終わらない。

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