全日本一輪車競技大会ソロ演技部門男子の部で３連覇を達成した
棟方翔也さん
新百合丘一輪車クラブ所属　19歳

心奪う演技を一輪車で

　○…一輪車に乗りながら、音楽に合わせて華麗な回転技やジャンプなどを組み合わせ、「陸上のフィギュアスケート」とも呼ばれる一輪車演技。11月に行われたソロ演技の全国大会で、３連覇を果たした。連覇へのプレッシャーがかかる中、これまでの演技とは異なる曲調や苦手な技を取り入れた、新たな挑戦でもあった。本番の出来には悔いが残るが、「模索する過程で、さらに上手くなれたと思う」と手ごたえも感じている。

　○…地元・青森で、小学生のときに遊びに行った児童館で一輪車と出合った。９歳から乗り始め、中学２年でソロ大会を最年少優勝。ペアやグループの国内大会、さらには国際大会でも優勝を経験している。強みは、身振り、手振り、顔の表情などの表現力。フィギュアスケートの羽生結弦さんを参考に、普段聞く洋楽やクラシック音楽からも「どんな表現や物語ができるか追求している」と感性を磨く。

　○…大学進学に合わせて今春上京。同時に一輪車演技を続けるため、新百合丘一輪車クラブへ。「個人のレベルが高く、高め合えるチームメイト」には、大会前にも支えられた。そんな仲間たちと「グループ演技で全国優勝すること」が次の目標だ。大学では演技やダンスを専攻。「どんな人がいるのか、人間観察するのが趣味。演技や表現に生かしている」と何でも吸収する勢いだ。

　○…授業に練習に「体がいくつあっても足りない」という多忙な日々を送り、今後はさらにパフォーマンスグループの一員として国内外のステージ出演を予定する。一輪車の魅力は「見ている人の心を奪うことができること」と言い切る。「たくさんの人に見てもらい、誰かの背中を押せる演技をしたい」と、高みを目指す日々は続く。