麻生区 人物風土記
公開日:2023.03.24
山伏として「2023里山フォーラムin麻生」で法螺貝演奏を披露した
高橋 昂希さん(本名:高橋靖)
上麻生在住 63歳
探求心に富む「柿生の山伏」
○…今月行われた、麻生区の里地里山を保全する団体が交流する場「里山フォーラムin麻生」で、法螺(ほら)貝の音を響かせた「柿生の山伏」。参加するボランティア、柿生の里クラブをきっかけに、5年前から法螺貝でフォーラムの開始を告げる。山伏はかつて岡上に存在したといい、緑豊かな麻生にも縁深い。法螺の音には大願成就を伝える役目もある。「荘厳な音を吹くのは難しいが、尽きない魅力がある」と柔和な笑みを見せる。
○…凝り性で、学生時代にはトロンボーンを吹き、音楽への熱を深めて大学の交響楽団で指揮者を務めた。業務用プリンターや複合機に携わるサラリーマンでありながら、40代にはダイビングにハマり、インストラクターの資格も取得。3年前には1千回の潜水を達成した。好奇心旺盛にさまざまなことに取り組んできたが、50代になり「経験のないことに挑戦したい」という思いが山伏修行に駆り立てた。
○…偶然、羽黒山伏と知り合い、その縁で13年前、山形県の出羽三山神社で一週間続く修行に初参加。「とにかく厳しくて、二度と来るかとも思った」と振り返るが、10年修行を重ね、現在は先達に。娘の結婚式では装束を着て先導を果たした。現代では、体力や精神力の修練としての意味合いが強いが、「修行は死後の世界を体験して、リブート(再起動)する、ほかに機会」と語る。今後は20回まで修行することが目標だ。
○…体力をつけようと自宅周辺をジョギングしていた際に、柿生の里クラブの看板を発見。12年前から参加する。作業担当の副会長として、草刈りなど1年の計画を可視化。40年弱のサラリーマン経験を生かして作業の効率化を図る。「60代からの新たな挑戦は、考え中」と笑みをこぼす。
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