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麻生区 コラム

公開日:2023.06.02

柿生文化を読む
シリーズ「草創期の柿生中学校」校歌・校旗の誕生【3】文:小林基男(柿生郷土史料館専門委員)

  • 3代校長 磯岡寛先生

  • 校旗を先頭に入場する柿生中学校生徒(創立10周年記念全市合同大行進=昭和32年10月)

 校旗の作成はもっと大変でした。校旗の図案は、美術科の吉岡節子先生にお願いして、紫地の中央に大きく校章を据え、校章の周囲に地元の名産禅寺丸柿をあしらったスッキリしたデザインが出来上がり、学校中に好評でした。問題は校旗作成の資金にありました。どこにも予算がなかったのです。事情を知ったPTAの皆様がOBたちをも巻き込んで奔走してくださり、費用の殆どを寄付してくださったのです。こうしてできたばかりの校旗は、昭和32(1957)年7月15日の創立10周年記念式で無事にお披露目できたのです。初代の旗手には10期生(3年生)の岡本朋久さんが選ばれ、10月に開かれた「10周年記念全市中学校合同大行進」に、重い校旗を堂々と掲げ全市の関係者に校旗を見てもらうことも出来たのです。岡本旗手は、「柿中には校旗がなく、中体連陸上大会で寂しく思ったので、校旗をもっての行進はとても嬉しかった。」と語っています。

(つづく)

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