麻生区 コラム
公開日:2023.08.04
柿生文化を読む
シリーズ「草創期の柿生中学校」柿生小学校の移転その1【2】文:小林基男(柿生郷土史料館専門委員)
移転にあたっては、比較的近距離にある片平分校と合併して学区の範囲を広げるので、小田急線の西側、上麻生に近い片平の地が望ましいということになり、実際に候補地をあげて実地調査を行った結果、現在の柿生小学校の位置(片平字日向)が最も望ましいとなり、10人ほどの地主さんに売却をお願いすることになりました。10人もの地主さんとの交渉となると、いろいろな方がおりますからスンナリとはまとまりません。この時お世話になったのが、当時地元の消防団長で、皆に頼りにされていた対馬虎吉さんでした。虎吉さんは、「これからの地元と日本の為に働いてくれる子ども達を育てるために、ここは皆で協力しよう」と呼び掛けてくださったのです。おかげで話がまとまり、買収価格は坪2400円で済み、土地代を含む建築費は約4千万円で済んだのです。
(つづく)
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