麻生区 文化
公開日:2023.09.15
区内在住辻純さん
草木染めで日本画制作
21ギャラリー 22日まで展示
麻生区出身の辻純さん(22)=人物風土記で紹介=による「大作三部作展」が9月22日(金)まで、新百合トウェンティワンビル市民ギャラリーで開催されている。
辻さんは現在、多摩美術大学の3年生で日本画を専攻。今年、「かわさき市美術展」で優秀賞、「上野の森美術館大賞」で入選するなど、活躍が期待される若手作家だ。
今回、展示されているのは「大作三部作展」とあるように、1620ミリ×1303ミリの巨大なキャンバスに描かれた『地層』『貴方をなぞってアタシは生まれた』『あゝ行かないで、あゝエゴ』の3作品。「頭に浮かんだ文章を絵でビジュアル化した」と解説する辻さん。「会場に貼ってある解説文を読んで見てもらえると絵を理解してもらえると思う」と話す。
色の変化「わくわく」
今回の作品で特徴的なのは、草木染めの技法を用いて制作していること。従来、日本画は群青や水晶、サンゴなど希少な鉱物資源を岩絵具にして描かれるが、「限りある資源を消費することに抵抗があり、岩絵具の代わりに草木染めの技法を用いて制作した」と理由を語る辻さん。大学や自宅の近くの桜の葉や、雑草を煮たりして抽出した色素を使って、1カ月から1カ月半かけて作品を仕上げたという。
「草木染めは、退色が避けられないので、これから作品がどう変わっていくか予測できない。それが逆にわくわくする」と辻さんは話す。
今回、初めて個人で大作を展示した辻さん。「まだ実績がないので、作品を多くの方の目に触れるところに展示することで、自分としても他者として作品を見つめ、課題を見つけて今後に生かしていきたい」と話している。
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