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公開日:2023.10.13

市民ミュージアム
上麻生に事務所移転
 水処理センター敷地内

  • 仮設事務所の外観

 川崎市市民ミュージアムの事務所が10月1日、麻生水処理センター=上麻生=の敷地内に移転し、業務を開始した。令和元年東日本台風で被災した同ミュージアム。新事務所では、オンラインや出張による企画・展示、被災収蔵品の修復作業などを行っていく方針。市の担当者は「新施設が開設されるまでの間、新事務所で業務を行っていく」と話す。

 市民ミュージアムは、1988年11月に中原区等々力で開館。2019年10月に発生した「令和元年東日本台風」により、建物や設備だけでなく、地階にあった収蔵品約30万点のうち、24万5643点が被災。現在も休館が続き、21年夏には建物の取り壊しが決定した。

 新事務所は、麻生水処理センターの敷地内に仮設事務所として設置。展示室等の機能はなく、休館以降、外部施設で実施している出張展示や、オンライン展示の企画の調整等を行う拠点となる。また、等々力にあった収蔵品の冷凍倉庫も移転し、一部収蔵、修復作業を行っていく。修復作業については、今年4月30日時点で7万3547点が処分済みで、残りの修復対象17万2096点のうち、5万3285点が修復済み、2231点と修復中であるという。

新施設開館まで

 市では現在、生田緑地ばら苑隣接区域(多摩区)を開設候補地として、市民ミュージアムの移転再建について検討を進めている。今年5月に「新たなミュージアムに関する基本構想」を策定。来年6月には「基本計画」を策定し、事業活動や開設地を決定。25年秋にはスタッフの配置、開館時間といった「管理運営計画」を策定する見込み。市の担当者は「他地域のミュージアムなどを参考にすると、新施設の開館は6〜7年かかる見込み。それまでは新事務所で業務を担当していく」と話している。

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