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公開日:2024.01.05

新春インタビュー
新しい麻生の魅力を
山本区長 今年の展望語る

  • 健康寿命延伸や防災・防犯に言及する山本区長

  • 今年の抱負を「生」にした山本区長

 新年にあたり、本紙では、山本奈保美麻生区長にインタビューを行った。区長は、麻生区の魅力や、健康寿命延伸、防犯・防災、市制100周年に向けた取り組みについて語った。(聞き手/本紙麻生区編集室 中島崇雄)

 ――昨年4月に麻生区長に着任。9カ月を振り返っていかがでしたか。

 「昨年5月に新型コロナウイルス感染症が5類に移行し、いろいろなイベントや団体の会合などが対面で復活してきました。 区の事業も大分元通りになってきました。私もいろいろな場所に出向いて、団体や区民の方と交流する機会が多かったです。その中で、まちづくりに思いを抱いている団体や、区民の皆さんと交流したり、ご意見を聞くことができ、本当にありがたく思っています。何回も足を運んだりすることで、相手の方の背景とか、考えとかが段々見えてきましたし、行政に対して要望ばかりするのではなく、自分たちで良くしたいという思いがある方が多いなというのを感じました。子どもから大人まで、熱い思いを持っている人と接することができたことが印象に残っています」

 ――昨年、麻生区が平均寿命日本一になり、全国的に注目されました。

 「男性84歳、女性89・2歳と、どちらも1位は今までなかったらしく、テレビや雑誌で好意的に取り上げていただき、全国で注目をされたことはうれしいです。コロナが5類に移行してイベントが再開されたことで、地域の健康体操などにテレビ局の方が取材できたことも、PRとしては良かったなと思います。そういった日頃の区民の方の取り組みが、フィーチャーされたという意味で麻生区にとって、いい1年だったと思います」

 ――これからは健康寿命の延伸がテーマに。

 「すでに多くの方がウォーキングや、公園の健康体操に取り組まれていますが、区民まつりの舞台発表で、フラダンスの申込みが多かったことは新たな発見でした。健康寿命を延ばし、平均寿命との差が近づいていくのが理想です。保健所の支所長に要因を調べてもらい、麻生区は、ガン、心疾患、脳血管疾患の三大疾病の罹患率が男女とも低いという分析があります。男性の喫煙率や、アルコールの摂取量はまだまだ減らせる余地がありますし、女性も40代からの死亡率が改善できるという伸びしろがあり、 区としての取り組みはまだ進められると思っています。要介護にならないように、認知症やロコモ、フレイルの予防を講演会などで啓発したり、健康情報をお伝えしたりという取り組みを積み重ねていきたいと考えています」

まちづくりへの関心高め

 ――防犯、防災は待ったなしの状態です。

 「防犯も防災も、区役所単体ではできないので、消防署、警察署、自衛隊も含めた連携が必要だと思います。防犯に関しては、麻生区は犯罪が少ないと言われていますが、特殊詐欺が市内でも高い水準で件数や金額も増えていますので対策が必要です。麻生セーフティメールを登録していただき、随時注意喚起のメールを送ったり、高齢者向けに特殊詐欺防止のための啓発や講習会の開催、わんわんパトロール登録時に気を付けて見ていただきたいポイントをお配りしています。わんわんパトロールは、昨年11月末で登録者数が109人でしたので、さらに増やしていきたいと思います。防災に関しては、土砂災害の懸念が大きいので、ハザードマップを活用して、住民の方に危険箇所を周知し、マイタイムラインに応じた避難行動をと日頃から啓発をしています。土砂災害警戒区域は、市全体の約40%が麻生区です。常に危険と隣り合わせなので、皆さんが住んでいる場所が安全かどうか確認していただくための啓発をしていきたいと思います。地震については、自主防災組織で共助の強化をしていただき、区役所が様々な訓練を実施して公助を強化していくという両輪に加え、自助として、可能な限り在宅避難で避難生活ができるようにローリングストックなどの備蓄の啓発を進めていきたいと思います。市の総合防災訓練を例年9月上旬に行っていますが、今年は麻生区が会場になります。大規模な訓練となりますので、訓練を通じた公助の強化、自主防災組織への活動を支援することで、防災対策を強化していきたいと思います。12月に行った新百合ヶ丘駅周辺での帰宅困難者対策訓練は、158人と多くの方に参加いただき、より本番に近い環境で訓練ができました。そこで出た課題を生かし、ターミナル駅での災害対応を強化できるような訓練を、引き続きやっていきたいと思います」

 ――今年、川崎市市制100周年を迎え、緑化フェアも行われます。

 「昨年、麻生区で100周年のプレ事業として 11月に『あさお区新歩け歩け運動』を開催しました。その他、100周年と緑化フェアのPRのために、かきまるくんをデザインしたトートバッグを作り、イベント開催時に参加賞という形でお配りしています。今年3月2日土曜日には、麻生区スポーツ推進委員会と、全長約19Kmの『あさお境界トレイルハイク』を開催する予定で、隣接している自治体と連携して企画を進めています。チェックポイントを巡っていただき、500人まで参加できるイベントです。一昨年の麻生区区制40周年が盛り上がり、記念に残る1年だったと伺っているので、同じように若い世代や子どもたちを巻き込んで、次の100年に向けてお祝いをし、麻生区のことをいろいろ知って、好きになって、まちづくりに関心を持ってもらえるとうれしいなと思います」

 ――最後に、新年の抱負と、区民の皆さんへメッセージをお願いします。

 「今年の抱負を一字にすると『生』です。区の名前の一部で、からむしから麻を生み出していたという歴史もあります。芸術文化や、農業も盛んでいろいろなものを生み出しています。区のイメージソング『かがやいて麻生』の歌詞に『みんないきいきいきてる麻生』ともあります。過去の積み重ねを生かし、市制100周年を迎えて、新しい麻生区の魅力を生み出していけるように地域の皆さんと力を合わせていきたいという願いを込めました。川崎や麻生区を好きになっていただけるように、今年一年、私たちも頑張るので、ぜひ皆さんに関心を持っていただき、健康に気を付けながら、いろいろなイベントや取り組みに参加していただきたいなと思います」

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