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麻生区 コラム

公開日:2024.01.19

区民記者が走る! vol.33 2024年 January
あらそいの跡を偲ばせる石碑

  • 中島久幸記者

 数百年前の昔、現在の麻生区早野と横浜の鉄町の間で村境の争いが長く続いていた。この話が村役人の耳に入り、村の有力者の立ち合いでお互いの言い分を聞いたがケリがつかず「鉄火の法」で決めることになった。それは鉄の棒を灼熱に焼いて握らせ、正しい方は熱さを感じないので長く握れるが、悪い方は手が焼け焦げるというもの。勝負は早野の代表が勝ち、村民は境に松を植えた。

 その松は高さ30メートル、幹の周囲3.5メートルまで育ったが、先の大戦中に枯れ、昭和22年に伐採された。そののち昭和45年に地元の老人クラブが「鉄火の松 跡」の石碑を建て、今でも残っている。

 横浜市青葉区鉄町の宗英寺前の山道を登りきると、左側に高さ約1メートルの石碑が立っている。この先は、もみの木台に抜ける尾根道で緑豊かな散歩道だ。興味がある方は訪ねてほしい。

区民記者とは?

地域活動が盛んな麻生区で活動する団体にスポットライトをあてるために、麻生市民交流館やまゆりを運営する認定NPO法人あさお市民活動サポートセンターが中心となって、文章を書くことが好きな区民で活動しています。

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