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川崎区・幸区 人物風土記

公開日:2018.05.04

幸消防署長に就任した
田中 信一さん
大田区蒲田在住 58歳

出会いに感謝の消防人生

 ○…「人との出会いがあって今の自分があるよね」としみじみ語る。中学生の頃、機械が好きで、はしご車のはしごがどう伸びるのかなど、消防車や救急車の構造に関心があった。興味そのまま進学した芝浦工業大学時代、「知人」の紹介で消防服を作る会社でアルバイトをした。ここで消防をより身近に感じ、この道に進んだ。

 ○…35年の消防人生の中で26年間救急畑を歩んだ。1991年に救急救命士法が制定されると92年に救急救命士の資格をとり、現場の活動とともに、後に救命士を育てる側にも回った。今でも親交のある救急の「師匠」に出会ったのは入局して2年が過ぎた頃。搬送先の大田区の東邦大学で当時の蒲田消防署の救急隊長から声をかけられた。地元が蒲田だったこともあり、非番の日に蒲田消防署に行き、教科書には載っていない現場でのノウハウなど、救急のいろはを教わり、この道を極めようと思った。

 ○…夫人、娘との3人家族。共通の趣味は川崎フロンターレの応援。時間があれば等々力陸上競技場に足を運ぶ。年間20試合近く、家族揃ってユニフォームを着て試合を見に行く熱の入れようだ。「去年、優勝を決めた試合で、あの場にいられたのは最高の幸せ。目頭が熱くなった」と興奮を隠しきれない。

 ○…署長就任にあたって署員には「市民を守るのはもちろん、自分の身、部隊の安全がないと、どんな活動も成功しないので安全を最優先にしなさい」と説いた。市民へは「地元を良く知る地域の人との連携があってこその消防活動なので、防災訓練などには積極的に参加してもらいたい」と呼びかける。座右の銘「治に居て乱を忘れず」を胸に市民の命を守る為、署員148人の指揮を執る。

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