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川崎区・幸区 人物風土記

公開日:2021.08.13

幸区ソーシャルデザインセンター「まちのおと」のロゴマークをデザインした
大野 誠さん
幸区塚越在住 45歳

デザイナーの矜持

 ○…「募集告知を見た数秒後にはデザインイメージが浮かんだ」という。幸区の地形を動物、山、電車、昔ながらの商店街、おしゃれな店などで囲み、賑やかさを表現。豊かなまちになるようにとの思いを込めた。採用の知らせを受けた時はプロとして負けられない意地もあり、「うれしさもあったが、内心ほっとした」と笑う。

 ○…中学時代に好きなバンドのCDジャケットの模写や、ロゴを考えたりしたことがデザイン人生の原点。21歳でデザイン事務所に入り、「プロの仕事の厳しさを知り、がむしゃらに働いた」。今の会社ではプロスポーツチームや、大手外資化粧品メーカーなどの広告デザインを手掛けるチームのまとめ役だ。30代半ばから仕事に余裕が持てるようになると、毎朝ごみ拾いをする人など地域活動をする人たちが気になりだした。自分のスキルで地域貢献や苦しむ人を救うことができないかと考えるようになり、イベントでのチャリティTシャツ販売などのボランティア活動に参加した。コロナ下でこうした活動が難しくなるなか、生まれ育った幸区への恩返しで、地域貢献につながればと思い応募した。

 ○…10年前から川崎フロンターレのサポーター。以前は東京や横浜に引け目を感じていたが、大声で「かわさき」と応援することで川崎市に誇りを持てるようになったという。仕事帰りの立ち飲み屋が至福の時で「焼き鳥数本と日本酒があれば幸せ」と飲んべえの顔が覗く。

 ○…デザイナーになって25年。「誰かが楽しんでくれたり、喜んでくれる仕事は頑張れる」とデザインの魅力を語る。次は幸区制50周年のロゴマーク募集が気になっている。「こんなイメージですかね」とペンを走らす姿はプロの顔だ。

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