介護福祉フェス実行委員長を務める 中谷(なかや) 和俊さん 川崎区藤崎在住 41歳
ほとばしる情熱、正義感
○…今年で3回目を迎えた「介護福祉フェスティバル」は今回、動画を使ったメッセージ配信に取り組んだ。「できることをみんなでやりきった」と万感の思いだ。新型コロナの影響で昨年は中止を余儀なくされた同フェス。今年こそと意気込んだが、5月には原因不明の高熱に5日間襲われた。命の危険を感じ、開催を断念しかけたが、仲間からの激励で形を変え実施。これまで、リーダシップと行動力でフェスを開いてきた自負があったというが「今回の経験で自分は支えられていたんだ」と実感した。
○…現在は川崎区中島のデイサービスで介護福祉士として働く。日々、サービスを受けに訪れるお年寄りたちとの交流に元気をもらう。一方で介護保険で受けられるサービスを初めて知ったという利用者の声もよく聞く。「介護サービスは利用してみないとわからないし、伝わらないのでは」。ある時、同業の仲間との飲み会の席上でそんな話をすると、みな、同じ思いを持っていた。「だったら介護の祭りをしよう」との思いで立ち上がり、2018年に初開催にこぎつけた。
○…20歳まで父親の職場のあった桜本商店街で育った。今でも地元の親睦団体・桜友会で神輿を担ぎ続ける。「人情味あふれる人たちの中で育ったからこそ、人とのつながりを大切にしているんです」。地域の民生委員や東大島小学校のPTA会長を買って出たのもそんな思いから。何事にも一生懸命取り組むがゆえに周囲からは「熱い人」といわれる。
○…フェスを通じての目標は、認知症の人をはじめとした要介護者が安心してくらせるまちにすること。「フェスの仲間を増やし、行政も巻き込んでいきたいですね」。笑顔の奥にひそむ野心が垣間見えた。
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10月11日
10月4日