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公開日:2021.12.10

かわさきマイスター
坪井さん、渡部さん認定
写真、溶接技術の匠に

  • 渡部さん(左)と坪井さん=三陽会館提供

  • コイル製作(左)と写真修復作業=市提供

 優れた技術を持ち、後継者の育成などに尽力する匠として川崎市が認定する「かわさきマイスター」に、写真師の坪井幸子さん(73)と溶接技術に長ける渡部玲さん(65)が認定された。今年度は市内5人が認定され、地元からは2人が称号を得た。

 有限会社三陽会館(川崎区宮本町)で取締役を務める坪井さんは、写真の修復、修正技術が評価された。スポッティングという技術で画像を焼き付けた印画紙に、筆で絵を描くように修正する。古い写真やピントがあまく、パソコン上で修正しきれないものも目や鼻、歯、服の輪郭などを描き起こし、面影を再現するという。坪井さんは「自然に再現することを心掛けている」と話す。

 現在は写真館を継いだ娘夫婦に技術を伝える。結婚式場での勤務経験を生かし、同業者への振袖や和装婚礼のポーズの指導に励むなど、業界への貢献も惜しまない。認定を受け、坪井さんは「大切な写真を少しでも多く、きれいに残してほしいという思いでやってきた。裏方の仕事だが、光を当てていただきうれしい」と話す。今後は「学生らに技術を伝える活動もしていきたい」と意欲を見せる。

 株式会社仙崎鐵工所(川崎区小田)で製造部グループ長として勤務す渡部玲さんは、溶接や、ダムや上下水道などで使われる電磁流量計のコイル製作技術が秀でていると評価された。過去にはTIG溶接という技術のコンテストで50人中、準優勝に輝いたことも。コイル製作は断線しやすく、高い技術が必要。直径が最大2メートルほどにもなる型に合わせて製品を手作業で成型する。「長年やってきた技術が認められたことはうれしい」と渡部さん。

 勤務する工場内には作業効率化のため渡部さんが工夫を凝らして作りあげた数々の装置が並ぶ。溶接棒の端材を使って指輪を手作りするなど「とにかくものづくりが好き」と笑顔で語る。現在は若手の職人と共に作業をしながら、仕事に対する姿勢や技術を伝える。

 かわさきマイスター事業は1997年に開始。今年度を含め76種114人が認定されている。

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