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川崎区・幸区 人物風土記

公開日:2025.05.30

自宅兼ホールで長年コンサートホールを営む尺八奏者の
篁(たかむら) 竜男さん(本名:高橋 龍男さん)
川崎区大師駅前在住 73歳

音色が紡いだ縁、大切に

 ○…尺八演奏家として「NHKのど自慢」の関東甲信越方面で25年以上出演や海外公演も経験。現在も地方のラジオ局で演奏や映画音楽に携わるなど活躍を続ける。一方で「日本の伝統楽器を身近にしたい」と川崎大師駅の近くで自宅兼コンサートホール『サロン・ド・バンブー』を27年間営む。今でも年に約2回のコンサートを開催する。培った人脈を活かした尺八や三味線のプロの演奏家のラインナップが好評で、50席のホールはいつも満席。20人程の生徒も抱え、次世代の育成にも励む。尺八に触れて約62年の人生。「辞めたいと思ったことは一度もない」と目を輝かせる。

 ○…尺八に魅了されたのは小学3年の時、家族で訪れた映画館だった。時代劇の作品の中で虚無僧が奏でた尺八の旋律が少年の耳に触れ「なんて素敵な音なんだろう」と当時の記憶は、今も鮮明だ。小学5年の頃自衛隊員だった兄が習っていた尺八を面会の時に借りた。その場で吹いたが音は出ず。次に会う時まで上手くなると約束を交わし、家で練習。次の面会では簡単な曲を兄の前で披露し、喜んでくれた。「今思えば、初めてのお客さんは兄だったかもしれない」と振り返る。

 ○…高校卒業後、設計の仕事をしながら土日は、民謡尺八の第一人者故・米谷威和男に弟子入りし腕を磨いた。師が時の人だったため多くの仕事が舞い込み、入門1年目で音源収録に参加。そこから27年間、プロの現場で研鑽を重ねた。

 ○…独り立ちする際、選んだ名前は「篁(たかむら)」という姓。「竹と共に歩んで来た人生ですから、『竹冠』を付けた。だからお店にも『バンブー』と入れたんだよ」と笑顔で話した。横須賀市出身。卓球も相当な腕前で、高校1年時には、インターハイ出場の経験も持つ。

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