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さがみはら中央区 人物風土記

公開日:2011.10.06

弥栄で「光工房」を営み、市内外で陶芸活動・指導を続ける
石栗 芳恵さん
弥栄在住 71歳

100歳まで現役宣言



 ○…8月の全陶展で複数の理事から選ばれる理事優秀賞をはじめ、これまで数々の賞を受けた。今では出品は当たり前になったものの、初出品した当時の心境を「お祭り騒ぎ」と回想する。以前は石川や富山、京都にまで自ら搬入、日帰りで行くこともあった。今でも重さ20kgの粘土を自在に持ち運び、創作に没頭する。力の要る作業なのに「慣れですよ」と涼しい顔だ。



 ○…陶芸への興味は、大好きな料理から。自分の料理を理想の器でもてなすことに、強い関心を抱いた。40歳から教室に通い、10年修行した後、「ナッツ工房」(現・光工房)を開校した。当初は出展に傾倒していたが、今は教える楽しみ、生徒の上達していく姿に喜びを感じる。今回の全陶展では、生徒全員の作品が入選。和やかな工房に飛び込んだ、嬉しい知らせだった。



 ○…「私、波乱万丈よ」と屈託無く笑う。熊本で生を受け、母親の故郷・沖縄で育った。17歳になると、演技派女優への道を志し、来訪していた東映の社長に猛アタック。その後、オーディションで上京し、なおもアタックすると社長が根負けし、東映の専属女優となった。佐久間良子は同世代。旧姓の湯浅芳恵の名で主に映画に出演し、美空ひばりとも共演した。小林旭ら俳優に誘われ、何人かと遊びに行ったことも。25歳で引退し、ひと区切りつけたが、きらめきに満ちた記憶を今も胸にしまっている。



 ○…「現役を100歳まで続ける」と陶芸への情熱は冷めない。再来年には、多くの協力で沖縄・伊江島に工房を新設予定。訪れる中高生に陶芸の楽しさを伝えたいと、心躍らせる。もちろん、30年住んだ相模原への感謝も忘れない。陶芸を通じ、自らが沖縄と相模原の架け橋になる日が来るのを待ち望む。「元気を基本に頑張るだけ」。年齢を感じさせないバイタリティに、頭が下がる。

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