さがみはら中央区版 掲載号:2012年4月26日号
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放射性物質の可視化カメラを試作したJAXA教授・理学博士 高橋 忠幸さん 東京都在住 53歳

未知なる創造に常に貪欲

 〇…目に見えない放射性物質の分布を可視化できる特殊カメラを試作した。天文衛星に搭載する高性能センサに改良を加え、ガンマ線の検出によって放射線を映し出すモニターカメラへと応用させた。新しい観測技術を求め、X線やガンマ線を放出する天体研究に取り組んできたことが、今回実を結んだ。「今までにない(ガンマ線の)観測をしたかったことが、これにつながった」と述懐した。

 〇…震災後、JAXAの「宇宙を見る技術」を聞きつけた東電から、除染に向けた可視化カメラの問い合わせがあった。計画に乗り出し、昼夜突貫作業により、カメラは3カ月で完成した。福島の飯舘村で行われた可視化実験にも成功。周囲は安堵した。カメラの試作にあたり、「仲間に恵まれた」と感謝を口にした。研究室には東大生が出入りする。面白がりながら研究の手助けをしてくれる。パートナーとして補佐した渡辺助教や武田研究員も、功労者として名前を挙げた。

 〇…あまり休みがない。
それでも、旅行は好きだ。海外出張は多いがいつもトンボ帰り。「温泉にいきたいね」と漏らすも、間を置いて首を横に振った。好んで料理もする。特にパスタを得意とし、魚もおろす腕前だ。研究室の忘年会では、実験のように手際良く、料理が次々と出される。

 〇…東大で実験していた頃、ブラジルで大気球を上げ超新星からのガンマ線を観測するプロジェクトに携わった。そこでの失敗経験が今に生きる。終着点は「誰もやらないことをやる」。まずは自ら中心となって進める次期X線天文衛星ASTRO-Hの完成だ。その技術を使い、この可視化カメラの実用化検討も仲間を集めて進めたいと考えている。「新しいミッションをするには、ひと桁違う成果を出さないと意味ないです」。貪欲な姿勢は、むしろ挑戦を楽しんでいるようにも見えた。
 

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