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さがみはら中央区 コラム相模原市立博物館レポート

公開日:2015.11.19

相模原市立博物館レポvol・5
収蔵庫あっての博物館
生物担当学芸員 秋山幸也

  • 市内に生息していたフクロウの剥製(当館初公開資料)

 博物館というと、「展示室にいろいろな物が並んでいる場所」というイメージが強いのではないでしょうか。もちろん、それこそが博物館のもっとも目立つ部分ですし、それを目当てに訪れて下さる方がほとんどです。平成7年11月20日にオープンした相模原市立博物館は、これまでに250万人以上の来館者をお迎えし、常設展示室をはじめさまざまな企画展示をご覧いただいてきました。



 展示は博物館の活動の花形と言えます。しかし、展示室だけでは博物館は機能しません。博物館が所蔵する資料のうち、展示されているのはほんの一部分です。ほとんどの資料は、収蔵庫と呼ばれる部屋に保管されています。収蔵庫内の資料は一つ一つ整理、分類され、資料ラベルがつけられています。調査研究の成果として、あるいは将来にわたる資料研究の材料として、博物館資料は永久に保管されます。



 相模原市立博物館の収蔵資料点数は現在、約22万点です。これらの多くは、学芸員と市民ボランティアのみなさんが力を合わせて収集、整理を行ってきたものです。開館20周年を迎えた当館ではいま、「こんなモノが集まりました―博物館20年の歩み―」という企画展示を開催中です。各収蔵庫から、これまであまり展示に出ることがなかった収蔵品や、近年新たに収蔵された資料をご紹介しています。この展示から、相模原という地域の特色を形作る資料の一端を感じ取っていただきたいと考えています。



 博物館資料には、収蔵庫へ収められるまでのそれぞれの歴史が内包されています。それを読み取り、記録し、分類していくのが学芸員の仕事の一つです。その情報は将来へ受け継がれ、時間とともに学術的価値を増していきます。そして、時にはそこからテーマを導き出し、ストーリーを組み立てて展示を作り上げるのです。つまり、博物館はまず資料ありき、そして、その資料を保管する収蔵庫あっての博物館なのです。



(問)相模原市立博物館【電話】042・750・8030

 

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