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感謝の思い胸に「相模原愛」に火を付ける オール相模原ロケ映画「ホペイロの憂鬱」で主演・白石隼也

掲載号:2018年1月1日号

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俳優としてのポリシーを持って、役に挑む思いを誠実に明かした
俳優としてのポリシーを持って、役に挑む思いを誠実に明かした

 昨年、相模原市内でのオールロケ映画「ホペイロの憂鬱」で主演のホペイロ(用具係の意味)・坂上栄作役を演じきったほか、ネットTVFOD・NETFLIXのドラマ『グッドモーニング・コール our campus days』で主役を務め、映画『東京喰種 トーキョーグール』にも出演。ドラマ、映画界でその存在感を遺憾なく示し続けている。相模原にも縁のある、今活躍中の気鋭の俳優に迫る。

 27歳を迎え、「充実した年」と位置付けた昨年。自身については「若者とは言えなくなってきた立場」とわきまえた上で、めざすべき俳優としての方向性や道筋が定まってきた年となった。ホペイロでの主演はもとより、仕事全体を楽しめたと自負する。何より、作品ごとに芝居の幅が広がってきたことで、「去年よりも今年」と成長を実感。納得して仕事に取り組めていると感じている。

役づくりに傾注

 映画は、相模原のサッカークラブチーム内で展開される。自身も東海大相模高で学生生活を送り、サッカー部にも所属。グラウンドでボールを追いかけた。相模原をアットホームで懐かしい思いを抱かせてくれる「第二の故郷」とする中で、主演抜擢には「運命的なものを感じた」と回想する。役づくりに向けては、SC相模原のマネージャーに取材し、スパイクの管理や雑務などの説明を受ける中、ホぺイロの仕事が現場のプレーとは直接にはかかわらないところで大きな役目を担っている点に着目。選手のメンタルケアなどピッチ外での役割を聞きつつ、選手との距離が近く、選手から何でも相談を受ける、愛されるキャラクターとしてのホぺイロ像をイメージした。実際に、映画ではケガを隠してプレーする選手をスパイク管理から見抜き、強行出場をたしなめる場面がある。ホペイロの役目と、選手への思いとの間で揺れる葛藤が表情ににじみ出る。役づくりのための取材が演技で生きた瞬間だ。「撮影にはできる限りの準備を積んで臨む」とし、今回も取材を通じてホぺイロの気持ちの部分にまで迫ったほか、スパイクを磨くブラッシングの仕方も「身体が覚える」まで家で何度も練習を繰り返した。

 共演者との関係については、特に選手役の俳優らの個性を良く知るために話し込んだ。撮影中、共演者とのコミュニケーションによって自らの立ち位置を確立していく一方で、最も苦労したのは、それこそサッカーのシーンだった。流れに乗りながら、一つひとつのプレーを高い精度で格好良く見せたい一心で、経験者として指導し共に練習にも励んだ。「本番は祈るような気持ちだった。みんな頑張れと」。サッカーは展開が早く、難しいシーンが多かったが、撮影前の練習は高校時代を想起させるものだったと懐かしそうに笑った。

 お気に入りのシーンは「ホぺイロながらシュールに推理する場面」と話すも、選手たちが一つの方向に向かう終盤の場面について水を向けると、撮影中の秘話が次々に。台本のセリフを変えたり、俳優らのテンションを上げるために檄を入れたりと、必死になって鼓舞した様子を振り返る。それは経験の浅い俳優やエキストラがいる中で、ボルテージを最高潮に上げていく苦労そのものだった。「最後は自分が盛り上げるしかない」と意を決した当時を思い出し、「でも、自分を含めてみんなよく頑張ってくれた」と労った。

 過密な撮影スケジュールの中で、相模原市民のエキストラ参加をはじめ、Jリーグのファン、自身のファンが応援で大勢見学に来てくれたことに感謝を示す。高校時代の友人も撮影に訪れ、中には試合中の場面で選手役として登場してもらったことも。加えて、撮影中の食事を提供してもらったり、試合を応援するシーンではたくさんの市民が駆けつけてくれたりしたことに対し、感謝の気持ちも忘れない。「相模原の人たちが、たくさん協力してくれた。応援の場面では、現場にいい雰囲気をつくってくれた。ありがたかったし、嬉しかった」と笑顔を見せる。

将来は海を越えて

 今後のチャレンジについて問うと、「海外に行ってみたい」とひと言。作品への出演、または演技を磨くための留学など選択肢は様々あるが、チャンスがあればトライするつもりだ。海外に夢を馳せる。

 さらに、将来的には作り手側に立つことも視野に入れる。「思いを自分の言葉で表現しやすいミュージシャンなどと違い、俳優は他者の思いを代弁する役回り」と俳優の仕事について表した上で、自分の思いや哲学を表現することも強く希求する。「小説を書いてみたい。映画を作るのは大変」としながらも、「不思議な魔力というか、引力がある。やっぱ特別感がありますね」と映画への思いが溢れた。

橋本での先行公開に登場

 「ホぺイロの憂鬱」は1月6日、いよいよMOVIX橋本(緑区)で先行公開となる。SC相模原のサポーターはもとより、相模原市民全体に対して映画館に足を運んでもらえるよう強く呼びかける。「相模原のチームを応援するような気持ちになると思うし、知っているロケ地やゆかりの場所だってきっと出ますし、相模原市民の方が観れば絶対に面白い」とアピールしつつ、「(映画を通じて)市民の皆さんの相模原愛に火を付けたい」と意気込みを見せる。

 自身も先行公開の当日はあいさつに立つ。「第二の故郷」として、青春を過ごした相模原の地で、温かい愛に囲まれながら撮影できたことへの感謝。その思いを胸に、大勢の相模原市民が待つ晴れの舞台に臨む。

スパイクのブラッシングも職人の域までに完成度を高めて撮影に臨んだ
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