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相模原市立博物館レポvol.15 闇が保つ都市の生物多様性 生物担当学芸員 秋山幸也

公開:2019年6月13日

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センサーカメラに写ったアナグマ
センサーカメラに写ったアナグマ

 市立博物館のまわりには、樹林が広がっています。半世紀余り放置されて成立したミズキ林が中心で、それほど年季の入った自然の樹林ではありません。博物館ではこの樹林に、数年前からセンサーカメラを仕掛けて、動物の生息調査を行っています。センサーカメラとは、赤外線を感知して撮影のスイッチが入る仕組みのカメラで、無人撮影カメラとも呼ばれます。

 さて、このセンサーカメラによって、哺乳類は何種類確認されたでしょう?タヌキとかハクビシンは想像できるかもしれませんが、ほかにどんな動物が写っていたのかというと・・。答えは、この2種に加えて、アカネズミ、アライグマ、アナグマ、イタチ、ネコの5種、合計7種です。広い樹林の中とはいえ、この人口密集地の中に、アナグマやイタチが生息していたのは、正直言って私自身驚きました。

 これだけではありません。センサーカメラに写りにくいけれど、目視などで生息を確認できているアブラコウモリとアズマモグラを加えると、哺乳類だけで9種類になります。私たちは普段、こうした動物たちが身近に生息していることになかなか気付きません。その理由の一つは、彼らの多くが夜行性の生活を送っているためなのです。

 博物館では7月7日(日)まで、企画展「闇に生きる 相模原にすむ夜行性の生きもの」を開催中です。センサーカメラの映像や、そこに写る動物たちのはく製などをたくさん展示して、闇の世界に生きる野生動物たちの生き生きとした姿をご紹介しています。

 闇は今、私たちの社会から排除されようとしているものかもしれません。しかし、都市環境の生物多様性を保つカギの一つは、闇の存在です。闇は人間と野生生物の距離感を、実際以上に保ってくれるものです。都市環境のパラレルワールド、闇に生きる生きものの世界を博物館で体感してみませんか。

 ■相模原市立博物館【電話】042・750・8030
 

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