さがみはら中央区版 掲載号:2022年5月26日号 エリアトップへ

相模原の司法を考える【12】 連載 「相模原で労働審判受けられないの?」 寄稿 藤田寛之弁護士

掲載号:2022年5月26日号

  • LINE
  • hatena

 このシリーズコラムでは、相模原の司法の現状と課題について、市にゆかりのある弁護士が解説する。藤田寛之氏が担当。

-・-・-・-・-・-

 タイトルからいきなり疑問形で恐縮ですが、労働審判という手続をご存じの方から、こんな質問を受けることがあります。さて、皆さまは、労働審判をご存知でしょうか?

 皆さまも報道などで裁判については長くかかるというイメージをお持ちでしょうが、(残念ながら)そのイメージは間違っていません。昭和の時代に比べれば、制度改正によって裁判の迅速化は図られていますが、それでも一般の方の感覚からすると、今でも裁判は時間がかかります。少し複雑な事件になると1年を超えることも珍しくありません。

 裁判に時間がかかれば、お金がない当事者は困窮してしまいますし、裁判中に当事者が亡くなってしまう場合もあります。また、裁判沙汰になっていること自体が、当事者の方には大きなストレスですよね。もめ事は、早いうちに解決するに越したことはないのです。

 そこで、労働事件(解雇や未払残業代請求事件など)にいては、労働審判という、普通の裁判より早く(3回以内)簡単に解決する制度が設けられ、2006年4月から運用が開始されています。労働者側にも使用者側にも使い勝手の良い制度として、現在、全国で年間3000件以上が用されています。なお、労働審判に際しては、話し合いが行われるために、使用者・労働者側の双方共に、当事者や担当者が出頭することが望ましいものとされています。

 このように労働審判は非常に使い勝手の良い制度なのですが、実は、この労働審判は、神奈川県内では関内にある横浜地方裁判所でしか行われていません。つまり、小田原や横須賀、そして相模原の市民が労働審判を申し立てようとしても、関内の裁判所に申し立てをしなければいけないのです。そして、前述のとおり、当事者や担当者は関内で開催される労働審判の期日に出頭しなければいけません。

 相模原市内から関内に出頭する場合、公共交通機関を利用すると、市内のうち比較的アクセスしやすい場所からでも片道1時間はかかります。ましてや、山間部など交通の便があまり良くない場所からは、片道で2時間以上を要する場合もあります。これでは申し立てを躊躇してしまい、相模原市民にとっては、労働審判制度は「絵に描いた餅」となりかねません。制度ができて15年を経過しているのに、未だに85万人(相模原市と座間市の人口合計)が利用できないという、裁判所の対応の遅さが目立つ結果となってしまっているのです。

未来へつなぐ、家づくり

相模原で30年。お客様の暮らしに寄り添った住宅をお届けします。

http://www.thirty-four.co.jp

相模原市から大切なおしらせ

市民税非課税世帯等に臨時特別給付金を支給しています

https://www.city.sagamihara.kanagawa.jp/kurashi/fukushi/1024533.html

<PR>

さがみはら中央区版のコラム最新6

準抗告と相模原市民の被る不利益

相模原の司法を考える【13】 連載

準抗告と相模原市民の被る不利益

寄稿 池田達彦弁護士

6月30日号

「相模原で労働審判受けられないの?」

相模原の司法を考える【12】 連載

「相模原で労働審判受けられないの?」

寄稿 藤田寛之弁護士

5月26日号

「接骨」からSDGs貢献

知られざる地下の生きものたち

相模原市立博物館レポvol.27

知られざる地下の生きものたち

舘野鴻絵本原画展「がろあむし 描かれた相模原の自然」 生物担当学芸員 秋山幸也

5月12日号

相模原の「司法」を考える

【11】実際に不利益を受けた方の声 連載

相模原の「司法」を考える

寄稿 多湖翔弁護士

4月28日号

相模原の「司法」を考える

【10】合議制裁判がないことの不利益 連載

相模原の「司法」を考える

寄稿 多湖翔弁護士

3月17日号

あっとほーむデスク

  • 6月30日0:00更新

  • 6月23日0:00更新

  • 6月16日0:00更新

さがみはら中央区版のあっとほーむデスク一覧へ

最近よく読まれている記事

コラム一覧へ

さがみはら中央区版のコラム一覧へ

バックナンバー最新号:2022年6月30日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

Twitter

Facebook