人・動物・環境が互いに尊重し合い、共に持続させる「地球共生」を軸に据える麻布大学(川上泰学長)が1年生の学生を対象に開講している「地球共生論」の講義で10月1日、同大獣医学部の卒業生で福島県双葉町の伊澤史朗町長が登壇し特別講義を行った。
東北地方を中心に未曾有の被害をもたらしたあの惨事から13年、双葉町は今だに避難指示解除の見通しが立っていない区域が町面積の約85%にも上り、その中には福島県内中の除去土壌を受け入れる中間貯蔵施設も含まれるという。
当時、小学生にもなっていなかった多くの学生を前に、伊澤町長はまず当時の被災状況について紹介。避難指示区域の実情や苦渋の決断で中間貯蔵施設を受け入れたことなどを学生に話した。
講義を通じて訴えていたのは「人の痛みを分かち合う人材になってほしい」という思いだ。「貯蔵開始後30年以内に県外への最終処分」という国との約束への道のりは長く険しく、進捗の見えない現状について語るその言葉の節々に重い苦悩が見て取れた。
「誰かが引き受けなくてはならない」という苦渋の決断を下した伊澤町長の言葉に多くの学生が熱心に耳を傾けていた。講義を終えた学生のひとりは「私たち若者が関心を持たなければ、復興は進まない。各自治体が助け合わなければ問題は解決しないと思う」などと話した。
お金にまつわる注意点指南
10月18日の講義では「社会生活におけるお金の役割」をテーマにきらぼし銀行の役員らが登壇。5人に1人が消費者被害・トラブルを経験していることなどを示しながら、クレジットカードや契約に関する注意点などについて解説した。
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