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公開日:2026.09.24
相模原市 生物の声、AIで捉える 木もれびの森で実証実験
相模原市はこのほど、南区内の住宅地に位置する平地林「木もれびの森」で、総合建設会社「(株)奥村組」(本社/大阪市)と音声AIを活用した生物多様性モニタリングの実証実験を開始した。生物の鳴き声を継続的に収集し、AIで種を判定することで、これまでの人による調査では捉えにくかった生き物の生息状況や活動時間帯などを効率的に調査する。実験は2027年3月までを予定している。
市は24年に同社と包括連携協定を締結。今年4月からは「さがみはら津久井産材」の耐候性を調査する実証試験が行われており、今回も同協定による連携の中で、同社が実証実験を提案した。市は生物多様性の調査を定量的・定点的に行う必要性から実施を決めた。
実験では、ハイラブル株式会社(豊島区)が開発した生物多様性モニタリングシステム「KoeTurri(R)」を使用。機器で環境音を録音し、生物の鳴き声からAIが種類を推定する。対象は鳥類や哺乳類、両生類、昆虫類など、主に鳴き声を発する生物。
木もれびの森ではこれまで、ウグイスなどの鳥類やセミなどの昆虫類、タヌキなどの哺乳類が確認されている。今回の実験では、他の調査方法との比較のほか、季節や時間帯による生物の活動の変化などを調べる。既に録音は始まっており、今後、収集した音声をAIで解析する。
24時間観測
音声による調査の大きな特徴は、早朝や夜間を含め、24時間継続して観測できる点。さらに、音声収集、AI判定、クラウド送信の全てを自動で行うため、設置後の現地作業も最小限に抑えられる。市水みどり環境課の担当者は「人がいない時間帯の生物の調査ができるところが大きなメリット」と話す。一方で、AIによる判定が実際にどの程度正確なのか、一般的な調査に活用できる水準かどうかも検証する。
奥村組は、維持管理者が抱える「生物多様性モニタリングの省力化」という課題の解決を目指しており、今回の実験では、より自然度の高い環境での技術の実用性を検証。得られたデータは、生物多様性の現状把握や保全施策の効果検証、環境調査の効率化などへの活用を想定している。
森や生き物への関心高める
市は調査結果を単なるデータにとどめず、市民の関心を高めるきっかけにもしたい考え。担当者は「木もれびの森は住宅地の中にある身近な自然なので、『どんな生き物がいるのか』を知ってもらうことで、生物多様性や森づくりへの関心につなげたい」と話す。自然観察に関わる人の高齢化や担い手不足などが課題となる中、若い世代の参加を促す狙いもあるという。
実験結果の活用方法は未定。市は、希少種保護などの目的から、結果の公表方法については慎重に検討するとしている。28年度に予定している「相模原市水とみどりの基本計画・生物多様性戦略」の改定に向け、生物多様性の保全や重要な地域を把握するための材料の一つとして活用することも見据えている。
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