美術彫刻家として幅広い創作活動に取り組んでいる 松崎 秀雄さん 寸沢嵐在住 64歳
想像豊かなモノ作り名人
○…刀号は「香月」。これまで、東京都の勤労者美術展に10回以上入賞するなど美術彫刻家として活躍する。20代の頃から始めた彫刻は、多摩市役所に勤務するかたわら、独学で勉強。30代の時に森田春月氏に師事し、本格的に彫刻の世界へ飛び込んだ。特に龍の木彫りが得意で、小さな小物サイズから畳一畳にも及ぶ大作も数多く制作してきた。「龍は想像上の生き物。蛇や魚など様々な生き物を彫れて初めて彫ることが出来る。私にとっての彫刻の基礎ともいえる題材です」と説明する。
○…小さい頃から手先が器用で、身近な道具や小物など大抵のものは自分で作っていた。「美術彫刻家を名のっていますが、私は興味があるものは何でも創作するので、紹介するのは難しいですよ」と照れながら笑う。手掛ける作品は、木彫りや竹の彫刻の他、看板、家紋、線香入れ、木製の茶碗、アクセサリー、バターナイフなど様々なジャンルにわたる。その中でも、和竿づくりは弟子を持つほどの腕前だ。「注文を頂いた釣り人に本当に合った和竿を作るには、最低3本作らなければなりません。お客の注文に応えるのが本当に楽しいですね」
○…定年後には緑区内の小学校に出向き、ボランティアで版画などの指導も行う。2月7日、8日には津久井湖城山公園で、お囃子などで使う「篠笛」作りの講師も務めた。「日本には伝統的な工芸品や美術品が多くあります。私の知識が役に立つのであれば、いつでも指導に伺いますよ」とほほ笑む。
○…一日の大半を工房で創作に勤しむ。そんな日々の中で、近くに住む小学校6年生の女の子の孫と過ごすのが楽しみの一つ。地域のお囃子連に所属するお孫さんと一緒に、福井まで篠笛の作り方を習いに行ったことも。「孫には何でも興味を持って、自由な発想で成長してもらいたいですね」と優しいおじいちゃんの一面を見せてくれた。
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