9月に行われるバクー世界柔道選手権大会で男子90kg級日本代表に選ばれた 長澤 憲大(けんた)さん 二本松出身 24歳
実直に磨いた技で世界へ
○…2月の国際大会では5位に甘んじた。「ここで勝つしか道はない」と挑んだ4月の全日本選抜柔道体重別。強敵ひしめく90kg級で優勝し、9月の世界選手権代表の座を初めて掴んだ。「競った試合をすべて取れた」と振り返るも、「東京五輪を目指すうえで世界選手権は必ず勝たなきゃいけない試合。投げも寝技もソツなくしっかり決め、結果を出す」と気の緩みはない。狙うはあくまで「優勝」の二文字。代表の地位を固めにかかる。
○…二本松出身。3人兄弟の次男で、大沢第二幼稚園、相原小、相原中を学び舎に育つ。大島でのバーベキュー、二本松公園での缶けり、橋本七夕まつり、上溝夏祭りと地元の思い出が次々と浮かぶ。柔道との出会いは6歳。テレビに映る井上康生氏(現日本代表監督)の勇姿に魅かれ、相武館吉田道場の門を叩いた。小中で基礎を築き、進学した岡山県の雄・作陽高校では個人・団体で総体2位に。東海大学では全日本学生柔道体重別連覇など国内外に名を馳せた。
○…得意は内股。基本に忠実なスタイルを軸とし、力で押すよりも「技術で勝つ柔道」を持ち味とする。座右の銘の『見える意識と見せない努力で人事を尽くせ』は相武館で授かった言葉。作陽高校では、「自分のためではなく誰かのために戦え」と教えられた。ふと、「自分は本当にすべての指導者に恵まれてきた」と実感を込め、思い返す。
○…現在はパーク24(株)に所属、目黒区にある寮で暮らす。大会前に帰省し、故・吉田功氏(相武館元館長)の墓前に勝利を誓い、実家でくつろぎ心身をリフレッシュするのが恒例。試合前は四股を踏んで、「よっしゃあ」と気合を入れる。名前の由来は「まじめに大きく」。その通り実直に柔道に向き合った先には、大きな成果が待っているはずだ。