さがみはら緑区版 掲載号:2019年3月21日号
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尾崎行雄を発信する会 咢堂桜、百年振りに米国へ 友好の証で縁の地に

政治

贈呈する桜の苗木を手入れする「尾崎行雄を全国に発信する会」のメンバー
贈呈する桜の苗木を手入れする「尾崎行雄を全国に発信する会」のメンバー

 又野生まれで「憲政の神様」と称される尾崎行雄(咢堂)が1912年、日米友好のためにワシントンに贈った3000本の桜。「尾崎行雄を全国に発信する会」(天野望会長)はこの程、この桜の孫樹となる苗木22本を米国に贈呈した。これは、米国コネチカット州ハートフォードにあるグレーターハートフォード日本協会(以下JSGH)から依頼を受けたもの。同会は「咢堂の政治精神を引き継ごうとする動きが、今も日米双方にあることは感慨深い」と話す。

 ハートフォードは、咢堂と弟である行隆(1865年〜1942年)に縁の深い地域。行隆は、慶應大学で咢堂とともに学び、1888年に保安条例により東京退去を命じられた咢堂が米国に海外視察に出た際に同行するなど、若き日に行動を共にした人物だ。行隆は視察後、英語が堪能で、演劇に興味を持っていたため、そのままハートフォードに移住、終の棲家として暮らし、同地には今でも同氏の墓がある。

 そうした縁で、昨年11月、尾崎兄弟にちなんだ桜をハートフォードに植えたいとの依頼が、JSGHから同会にあった。米国は桜の苗木の輸入を禁止しているため、当初交渉は難航したが、JSGHが米国農商務省に働きかけ、輸送が許可。苗木代や輸送に関わる費用負担なども日本外務省、米国農商務省が協力することになり、今回の贈呈が実現した。

 贈呈した苗木は、咢堂が東京市長を勤めた1912年当時、日米友好の証としてワシントンポトマック河畔に、3000本の桜を寄贈した桜の孫樹となる。同会は、ワシントンからこの桜の苗木を逆輸入し、『咢堂桜』と名付けて育ててきた。これらの桜は、現在「咢堂の功績や精神を地元にもっと根付かせたい」と、学校、公共施設、関係地など、市内各所に植樹されている。同会は「100年以上を経過した現在、尾崎兄弟と関係の深かった米国の地域から咢堂桜の依頼があったことは素晴らしいこと」と話す。

 桜の苗木は3月中に日本を出発。米国到着後、2年間の検疫の後、JSGHに引き継がれ、20本を行隆が執事を務めた米国の俳優ウィリアム・ジレットの広大な屋敷を公園にした『Gillette Castle State Park』に、2本を行隆の墓周辺に植樹する予定になっている。同会は「桜の輸出に際し、多大な協力を頂いた日米両国の政府に感謝する。咢堂の精神、政治信条に共鳴する心が、1世紀以上たった今でも両国に息づいていることは感慨深い」と話した。

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