さがみはら緑区 トップニュース社会
公開日:2023.10.05
相模原市
公営霊園に無縁墓20件
年々増加、対応に苦慮
総務省が9月13日、「墓地行政に関する調査」の結果を発表し、公営墓地・納骨堂で無縁墓が発生している自治体は58・2%に上ることがわかった。この結果を受け、相模原市は市内の公営墓地で無縁墓に該当する墓が20件あることを本紙の取材で初めて明らかにした。
総務省の調査は2022年2月から今年9月にかけて全国の市町村を対象に実施され、公営墓地・納骨堂がある765市町村のうち、445市町村が無縁墓が1区画以上あると答えた。
調査結果によると、無縁墓の発生によって公営墓地の荒廃や不法投棄の温床になっているという。中には自治体で樹木の伐採や墓石の倒伏防止のための作業や費用を負担したケースもあった。
相模原市は年々増加
市内には柴胡が原霊園(中央区)と峰山霊園(南区)の2つの市営霊園があり、それぞれ726区画、7548区画の墓地がある。無縁墓の状況について、市は本紙の取材で初めて明らかにした。担当者は「何をもって無縁墓と定義するのか難しい」とした上で、墓が放置されて景観が悪化し、名義が承継されていない区画などを無縁墓の対象として調査を行っているという。現在は20件あり、年々増加傾向だ。
市では2年前に無縁墓の調査に着手。昨年度は基準を設け、通知や催告をしても返答のなかった区画には看板を掲げ、申し出を呼びかけている。担当者は「法的手続きを経て戸籍を調べ、親族を探すのはあまりに時間がかかる。無縁墓の改葬を簡略化できる仕組みができたが、行政として手続きを省くわけにはいかない」と苦悩を明かした。
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