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町田市立博物館より【6】   学芸員の七つ道具 学芸員 村上智美

掲載号:2015年2月26日号

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ルーペを使い作品を調査する。どのように織られているか、染色のぐあい、素材は何かなど、一瞬のチャンスをものにして調べまくる=写真の作品は沖縄の伝統的な紅型という染物
ルーペを使い作品を調査する。どのように織られているか、染色のぐあい、素材は何かなど、一瞬のチャンスをものにして調べまくる=写真の作品は沖縄の伝統的な紅型という染物

 今回も「博物館の裏側」のお話を紹介します。

 学芸員の仕事のひとつに展覧会を通じて作品の魅力を伝えるということがありますが、展覧会へ作品を出品するには事前の作品調査や点検が必要不可欠です。作品を実際に手に取り、時代、技法などの詳細な情報を調べます。そして最も重要なのは、数カ月間の展示期間に耐えうるか、傷んでいる部分がないかなど、安全に展覧会をおこなうための情報を得ることです。

 私の専門は染織で、読んで字のとおり染物や織物などの布や衣服を中心に取り扱っています。今回はその調査の時に必携する「学芸員の七つ道具」(染織編)をご紹介したいと思います。

汚さないように白衣にマスク…

 まずは調査をはじめる前に手を洗い清潔にし、さらにエタノールで手を消毒します。作品を取り扱う時には、手の汚れや脂は厳禁だからです。手の汚れを作品に移さないという意味では、白手袋も必ず持っていきます。しかし、金属糸が装飾されているような場合には引っかけてしまったり、長い時代を経て繊維が非常に脆弱になっている可能性もあるため、素手で取り扱うことの方が安全だと判断した場合には使用しないこともあります。

 白衣やマスクも必須です。これらも万が一にも作品を破損したり汚したりしないためです。ここまでくると、まるでお医者さんのような出で立ちになってきます。

 染織品の様子を調べる時には、メジャーやルーペなどの道具を使用します。メジャーはビニールや樹脂製のものです。これも作品を傷めないために金属製のものは使用しません。ルーペは、平織・綾織などといった織組織を見るときに使用します。時には1cmの範囲に糸が何百本あるかを数える修行のような調査もします。

時に必要なのは「エイヤー!」

 調査のために作品を、出し入れするという事は破損のリスクをともなうため頻繁にはおこなえません。とくにご所蔵者の所へ行って調査する場合は限られたチャンスになります。調査や点検時に一番必要なのは、ここぞという時に力を「エイヤー!」と発揮できることかもしれません。
 

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