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町田市立博物館より【12】 汗と涙の出品交渉〜沖縄編 学芸員 齊藤晴子

掲載号:2015年9月3日号

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稲嶺盛吉「紅珊瑚変形壺花器」2002年 作家蔵 出品交渉の末にお借りすることになった作品のひとつ。なんと備長炭や黒糖をガラスに混ぜて制作されています。
稲嶺盛吉「紅珊瑚変形壺花器」2002年 作家蔵 出品交渉の末にお借りすることになった作品のひとつ。なんと備長炭や黒糖をガラスに混ぜて制作されています。

 毎年9月に町田市内で行われるエイサー祭り「フェスタまちだ」の時期にあわせ、町田市立博物館ではこの9月8日から「沖縄の工芸」展を開催します。陶磁器、染織、漆器の分野からも見ごたえのある作品が出展されますが、ガラス担当学芸員の立場からのオススメは何といっても、「琉球ガラス」!まとまった数の戦後の琉球ガラスが出品されるのは、沖縄県外ではこれが初めてのことになります。

 今回はこの琉球ガラスの借用にあたっての苦労話をひとつ。

 沖縄の工芸展を開催することが決まった昨年4月、私は途方にくれていました。今回は「現代の名工」として国から表彰された琉球ガラス作家に絞って紹介しようというところまでは固まったのですが、なにしろ伝手(つて)がありません。以前の回でも触れましたが、信用第一のこの業界で伝手がないのは致命的です。

とにかく熱意

 しかし、嘆いていても仕方がないので、まずは沖縄県庁に電話。関係のある工房の連絡先を教えてもらうところから始めました。ここからは当たって砕けろの電話&手紙攻勢です。まずは工房に電話をかけ、「来年こういう展覧会を予定しているので、ぜひご出品いただきたい」と口説くのですが、なにしろ先方にとっては遠方の聞いたこともないような博物館からの突然の依頼、初めのうちはまともに取り合ってもらえません。「そんな先のことはわからないなあ」「とりあえず資料送っといて」などの冷たい返事にもめげず、『どうしても出品して欲しい』という熱い気持ちを込めた手紙を資料とともに送り、手紙が届いた頃にもう一度お電話。「とにかく今度沖縄に行ってご説明にあがるので会ってください!」といってアポをとりつけました。しかし沖縄ののんび〜りした文化のせいか、皆さん口を揃えて「一応お約束はするけれど、その日いるかわからないから前日電話して」と仰います。果たして本当に会えるのか・・・不安を抱えながら沖縄に向かいました。

親切な作家たち

 沖縄に到着してからも毎日毎日「明日行くのでよろしく」という電話をかけながら、沖縄各地の工房を巡ってお願いにあがりました。実際お会いしてみると皆さん非常に親切で、「約束したのにいない!」なんてこともありませんでした。なんとか出品の約束を取り付け、出品候補作品を拝見して写真に収め、ほっとして町田への帰路につきました。その後も展覧会の幕開けまでは苦労は尽きないわけですが、その話はまた別の機会に。
 

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