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町田市立博物館より【20】 展示と保存を天秤にかける 学芸員 村上智美

掲載号:2016年8月18日号

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展示風景(前期)※展示作品の入替をしました。後期は何が出ているのかお楽しみ
展示風景(前期)※展示作品の入替をしました。後期は何が出ているのかお楽しみ

 現在、町田市立博物館では「日本・インドネシア共和国 国交樹立60周年 2018 インドネシア ファッション〜海のシルクロードで花開いた民族服飾の世界〜」展を開催しています(後期展示8月28日まで)。

 インドネシアの染織品を代表する、バティック(ろうけつ染め)と呼ばれる染物や、ソンケット(紋織)と呼ばれる織物などを展示しています。展示作品の多くは布状で、腰に巻いたり肩から掛けたりして着用するものです。

 さて、展示テーマは”ファッション”。この語には「流行」のほかに「服飾(装いの姿、方法)」という意味があります。これらの伝統的な染織品がいきいきと、実際に着用される様子を伝えるにはどのようにすれば良いか、ご所蔵者の方と一緒に考えていました。

 そこで、今回はケース内での展示にとどまらず、当館としては珍しく展示ケースの外にも作品を展示する露出展示をすることにしました。しかし、時代を経た布なので見た目以上に弱っていたり、展示方法を誤ると作品自身の重さで裂けてしまったりする場合も考えられます。公開中に万が一にも作品が汚れたり、人と接触してしまったりするのではないか。学芸員としては、露出展示を決断するのに非常に勇気がいります。

 常に展示と保存が天秤に掛けられるのが博物館の資料ですが、今回は様々なリスクが想定されても、露出展示によって得られる効果が大きいという判断をしました。特にケース外に展示したマネキンに着装した作品は、その着こなしや組み合わせによって驚くほど豊かな表情を見せてくれます。皆さんもご来館の際には”作品にお手を触れず”、間近で金糸やビーズのキラキラとした質感や、人々の生活に密着してきた衣服の生き生きとした様子を感じていただければと思います。
 

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