町田版 掲載号:2019年4月11日号 エリアトップへ

町田市立博物館より39 リスはお散歩中? 学芸員 山口 佳美

掲載号:2019年4月11日号

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白地青被葡萄栗鼠文瓶 中国 清時代
白地青被葡萄栗鼠文瓶 中国 清時代

 リスたちが元気に迎えてくれる「町田リス園」は町田の人気スポットですが、町田市立博物館にもかわいいリスがいることをご存知でしょうか。

 それが《白地青被葡萄栗鼠文瓶》(しろじあおきせぶどうりすもんへい)という中国の清朝(17〜20世紀)で作られたガラス作品です。作品の表面をブドウの蔓(つる)が覆い、たわわに実ったブドウの房があらわされていますが、その隙間にリスもあらわされているのです。ブドウはたくさんの実をつける果物、リスは多産の動物とされることから、この二つを組み合わせることで「子孫繁栄」というおめでたい意味が込められています。

 ところで、先ほどこれはガラス作品だと書きましたが、私たちが慣れ親しんでいる無色透明なガラスとは、ずいぶんかけ離れているように感じるのではないでしょうか。ブドウやリスの文様はトルコ石のような不透明で鮮やかな青色、地の部分は牛乳のような白色をしています。全体の分厚いつくりや、立体的な文様ともあいまって、まるで石を削って作られているかのようです。実は、清朝のガラスでは玉(ぎょく)と呼ばれる石のような表現が目指されていました。この作品には、そのような当時の中国の人々の美意識が反映されているのです。

 当館の清朝のガラス作品コレクションのなかでも人気の作品なので、「町田市立博物館最終(ファイナル)展」のポスターやチラシにもこの作品を掲載しています。すでにポスターなどを見てくださった方もいらっしゃるかと思いますが、そこに掲載されている本作には「リスがいない」ことにお気づきでしょうか。照れて裏側に隠れてしまったのか、はたまた、春の陽気に誘われて町田リス園までお散歩に出かけてしまったのか…。

 この作品はもちろん「町田市立博物館最終展」でも展示いたします。かわいいリスがどこに隠れているのか、ぜひ会場で探してみてくださいね。
 

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