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町田天満宮 宮司 池田泉 宮司の徒然 其の53

掲載号:2020年2月6日号

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夏の花カワラナデシコと冬の花ニホンズイセンがご対面
夏の花カワラナデシコと冬の花ニホンズイセンがご対面

良くない出会い

 伊豆半島や千葉、群馬で、昨年のひまわりのこぼれ種が発芽し、この秋冬の異常な温かさで花を咲かせ、ひまわりと菜の花を同時に観賞できるという事態になっている。これはひまわりと菜の花に限ったことではない。私の狭い花壇でも、とっくに枯れているはずの夏の花カワラナデシコが12月末に開花し、いつものように開花したニホンズイセンとご対面。おそらく互いに「あなたはだーれ?」と驚いたのではないだろうか。

 オーストラリアやアフリカの山火事は歴史的規模に達している。オーストラリアにはバンクシア属やロッジポールパインなど火災依存型の植物がある。火災の高温で種がはじけて飛ぶとか、ユーカリのように焼け焦げてしまっても火に強い幹や根から発芽してくるタイプもある。しかし、異常に多発する山火事はそれらの植物の生育を脅かすほどになっている。高温、乾燥による自然火災も多いが、約半数が人為的なものだというから、実は当事国の国民の多くが地球環境に影響していることを恥じているという。オーストラリアでは全く火災地域と無関係な地方でも、風向きによっては灰が降り健康被害が心配されている。地球の環境問題を話し合う国際的な集まりでは、何年も先の改善目標値に向けての話し合いが中心。それより団結して進行中の山火事を何とかできないものか。集まる各国の首脳陣は手枷足枷(てかせあしかせ)、これも互いの利害関係の探り合い。誰しもがわかっていても代表者に任せるしかないもどかしさ。ましてやナデシコとスイセンが顔合わせしただけで驚いているような私ではどうにもならない。

 3Rをご存じだろうか。リデュース、リユース、リサイクルのことである。町田市にも3R推進課という部署があり、ゴミ減量の啓発やゴミ収集イベントなど多岐にわたって行なっている。要約して言うなら、リデュースとはゴミを出さないこと。リユースとは何回も使うこと。リサイクルとはゴミを資源やエネルギーとして再利用すること。この3Rは消費者だけではなく生産者にも課せられる。何回も使用できる耐久性のある製品を作るとか、リサイクルしやすい構造にするとかである。しかし、作るコスト、リサイクルするコストは決して安くない。一人一人の小さな努力でどうにかなるものなのだろうか。私もいつの間にかエコバッグを必ず持ち歩くようになり、パッケージされている果物や野菜を買わないようになったが、さすがに肉や魚は難しい。

 ナデシコとスイセンに実は人間のせいかもしれないと謝っても、人間とは違う植物の時間の流れの中で、やがてその原因も見透かされてしまうのかと考えると申し訳なく恥ずかしいし、酸素を供給し続けてきた揚げ句に、彼らは安全な所へ走って逃げることもできないのだから、なんとも損な役回りだ。

 できることからやっていこう。みんなでやれば少しは変わると信じて。
 

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