町田 コラム
公開日:2021.06.24
加藤清正書状 (年未詳)6月7日
今も残る初夏の味
協力:泰巖歴史美術館【電話】042-726-1177
多摩川や相模川でもアユ釣りが解禁になり、アユの美味しい季節がやってきました。アユは独特な香りを持つことから「香魚」、一年で一生を終えることから「年魚」と呼ばれ、日本では古くから愛されてきた川魚の一つです。串に刺して塩焼きにしたり、甘露煮にしたり、様々な食べ方があるおいしい魚ですよね。画像は、熊本藩主の加藤清正が、徳川家康の家臣で尾張藩附家老の平岩親吉に対して、鮎鮓(すし)(鮨)1桶を贈られた感謝を述べている手紙です。鮎鮓とは、塩や酢に漬けたアユの腹にご飯を詰めて発酵させたもので、美濃国(岐阜県)や尾張藩がある尾張国(愛知県)の名物でした。徳川将軍家のいる江戸城にも献上され、そのルートは「鮎鮓街道」とも呼ばれました。今も長良川上・中流域の郷土料理(アユの熟(な)れ鮨)として残っているので、機会があったらご賞味ください。
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