町田版 掲載号:2021年11月25日号 エリアトップへ

町田天満宮 宮司 池田泉 宮司の徒然 其の92

掲載号:2021年11月25日号

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気候と連鎖

 新芽が吹きだす春は、命の活力を感じられるから好きだ。一方、秋は草木が朽ちていくようで、吹く風にも冬の予感めいた涼しさがあってなんとなく物寂しい。紅葉狩りを楽しむのもいいが、現実的には幹が葉に見切りをつけることによって起こる科学的な現象だ。それでも晩秋の野山は春の息吹に始まる植物の営みの集大成、つまりいろいろな色や形の種が見られるから面白い。町田の小山田の里山。どれも葉は虫に食われたり枯れかけていて夏の瑞々しさはないが、イラクサの仲間アカソがたわわに花の頭(こうべ)を垂らし、ガマズミは艶のある赤い実をたくさんつけている。霜が降りたら食べごろと教えられたが、この温暖化で霜が降りるのはいつになるのか。それまで実は持ちこたえているだろうか。葉は落ち、蔓は枯れても、カラスウリの実が風に揺れ、ムラサキシキブが濃い紫の実を並べる。ズボンの裾にはいつの間にか、チヂミザサやセンダングサ、チカラシバなどの種がびっしり。深い草地に分け入った報いだが、実はこれには理由がある。湿地帯の山側はすっかり枯れかけたツリフネソウが見られたが、どうしたことか日当たりのよい小川沿いの草地にはツリフネソウの花畑。

 千宗旦は京千家を継いだ16世紀頃の茶人。京都嵐山を流れる川の筏(いかだ)にヒントを得て、嵯峨野の竹を使って藤づるで吊り下げる茶室の花入れを考案した。釣舟、太鼓舟、沓舟(くつぶね)など形によって数種あるが、この釣舟(写真)に花が似ていることから趣のある釣舟草と名付けられたらしい。

 思わず分け入って写真を撮っていて、気づいたら足元は様々な種がおびただしくくっついていた。というのも、ツリフネソウは9月下旬くらいから10月中旬頃までが開花期なのに、11月に咲いているのはどういうわけか。小川の向こうから草刈り(ボランティア)帰りの人が声をかけてきた。聞くところによると、やはりツリフネソウは2度目の開花だという。つまり9月に咲いてから咲き終わって、11月にまた咲いたということ。まさにいつまでも暖かく進まない季節のせいだ。

 曼珠沙華の開花も年々早まって、亜熱帯性のランタナも去年初めて葉をつけたまま越冬した。毎年必ず何らかの異変を草木が教えてくれる。植物が気候に影響を受ければ、葉を食べ蜜を吸う虫にも変化をもたらす。境内のチャドクガの発生回数も年々増えているし、里山のナラ枯れを起こすカシノナガキクイムシや、桜を枯らすクビアカツヤカミキリの大発生。季節感が薄れていくだけに留まらず、人間にも影響が及んできていることは間違いない。

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