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八王子 人物風土記

公開日:2015.07.09

八王子市議会・議長に選出された
福安(ふくやす) 徹さん
片倉町在住 53歳

調和を意識 発想は「地域発で」

 〇…人口56万人に対して40人。八王子は全国に45ある中核市の中で人口あたりの議員が最も少ない市という。「端から端まで1時間30分かかるからね。(市民の声を拾う)議員にとっては工夫のしどころだよね」と苦笑い。2003年に初当選し、現在4期目。議長としての抱負は「和を以て貴(よ)しとなす。どんな意見でもしっかり聞いていく」

 〇…3歳の頃、八王子へ。一人っ子で動物好きな少年だった。当時の夢は「北海道に牧場をもつこと」。日本大学農獣医学部へ進学し、卒業後は大手乳製品メーカーへ。しかし父親の体調不良を機に、実家の工務店を引き継ぐことに。建築に対する知識はあまりなかったが工法を学び、それまで会社が続けていた大手メーカーの下請けから脱却。価値ある家を丁寧に建てていくことにした。「いきなり補助輪を外してしまった感じ。倒れてしまうから、ペダルをこぎ続けないと」。今でも公務が始まる前は必ず会社へ。「きれいなことが全てをうまく成立させる」などと、社員への指導を怠らない。

 〇…34歳の時、市PTA連合会の会長を務めた。現場に足を運んでいく中で教育への不安を強く感じた。これが議員を志すきっかけに。そして市議になってからはブックスタート事業を推進。「自分が子どもの頃は母親が絵本を読んで寝つかしてくれた。今はスマホ。それでは親の愛が伝わらないよ」。また、高齢化問題については低所得者向けの介護施設の創設を模索中。「国主導でなく地域発で。八王子のような大きな街ならやっていける」

 〇…洗車が趣味の一つ。2〜3日に一度は洗わないと気が済まない。家族の車も自分で。「喜ばれるし、運動になるし」。妻は小学校の同級生。成人式で再会し「こんなにきれいな子がいたんだ」と驚いたそう。今は毎朝靴を磨き、弁当の用意もしてくれるとか。そんな妻、母親、次女、そして亀、めだか、たなごと穏やかに暮らしている。

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