JR高尾駅の南側の高尾町と初沢町の下に今も残っている浅川地下壕。戦時中に戦闘機を造っていた中島飛行機の疎開工場で、全長10キロに及ぶ国内最大級の未完の地下壕だ。1944年9月に工事が始まり、終戦まで完成することはなかったが、10基ほどのエンジンが製造されたという。
この地下壕を文化財へ登録することを目指して1997年から活動している「浅川地下壕の保存をすすめる会(十菱駿武(じゅうびししゅんぶ)会長)」は毎月見学会を開催するなど、市民に戦争の歴史を伝え続けている。
地下壕では2014年に金比羅山が八王子市の市有地になるなどの成果を挙げた。これによって開発が食い止められ、文化財に一歩近づいた。
十菱会長は「平和の砦として活用し、多くの人に知ってもらうことで後世の人々に戦争の歴史を伝えていきたい」と話す。
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