演歌歌手・植松しのぶさん=人物風土記で紹介=が歌う、「八王子加住音頭」「滝山城の春」「松姫物語 花は絶えず」は、八王子をテーマにした楽曲でいずれもあきる野市在住の森下晴男さんが手掛けたものだ(猿島渡名義)。
同市で保険業を営む森下さんは学生時代からギターに親しみ、40代からウクレレを始めた。知人が羽村のご当地ソングを作ったことをきっかけに「自分も」と9年前、地元温泉施設のテーマソングを制作した。「頼まれたわけでもなく勝手に作ったが、みんなで踊ってもらって嬉しかった」
そして5年前には「何か自治会に協力できないか」と応援ソングを提案。「音頭がいいかな」。知人の紹介で植松さんに歌唱を依頼した。「すらっとしていて和服も似合う。歌のイメージにぴったり」。こうして2013年、「あきる野町内会自治会音頭」が誕生した。この音頭が人気を呼んだことなどもあって植松さんはあきる野で「ブレイク」する。
「八王子応援したい」
植松さんとの交流がはじまり、森下さんは八王子に訪れる機会が増えた。ある日、滝山街道を車で走っていたところ、城跡の上に真っ白な雲が広がっていた。「これだ!」。森下さんの頭の中に、♪白い雲流れる 滝山城の空 風に揺れ木々は 何しのぶ〜のフレーズが浮かんだ。「地元の歌があったらいいな」と話していた植松さんにこのことを伝え、「滝山城の春」が作られた。
今年1月、その「滝山城の春」と同時に発表されたのが「八王子加住音頭」。この楽曲は前述の「あきる野町内会自治会音頭」の歌詞の一部を変更し、八王子用にリメイクしたもの。「あきる野の盛り上がりをぜひ加住でも」と考えた、加住地区町会・自治会連合会の大澤敬之会長のアイデアだ。
一方、森下さんは八王子の歴史を調べていく中で、松姫様にたどり着いた。「波乱の生涯」を送った松姫様について多くの人に知ってもらいたいと「松姫物語 花は絶えず」を自主制作した。森下さんは3作品について「音楽を通じて八王子を応援したい。少しでも役に立てれば」と思いを話した。
なお、「加住音頭」と「滝山城の春」は同連合会の市民提案事業に基づき制作されたもの。「松姫物語」(CW滝山城の春)はCD(1000円)で発売されている。
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