4月、園長職を父親の靖昭さんから引き継いだ。創業者の父。プレッシャーを感じていると話すが、「これからは、私が子どもたちを、スタッフを守っていかなければならない」と語る目は力強い。
これまで20年以上、同園の保育士として、子どもたちを見守ってきた。「愛情を受けて育った子どもは、人を愛することができる」――。父から学んだことを1つ1つ、若い保育士に伝えていく考えだ。これまでも教務主任として、副園長として、若い先生たちの育成を図ってきたが、子どもたちに、より良い教育を受けさせるためには大切なことと話す。そのため、外部から「心を育ててくれる」講師を招いた勉強会を定期的に開くようにするなど、父親の時代に行っていた研修に加え、新たな取り組みも始めている。「何のために働くのか、など考えてもらい。先生たちの人間力を高めていきたいんです」
子どもたちの音楽や体育、英語などの時間には専門の先生を呼ぶ一方、心がけるのは、何かに特化した教育ではなく、”バランスのとれた指導”。それは「好きなこと」「得意なこと」を子どもたち自ら、見つけてもらいたい、という思いから。目標は次の代へ、より良い形で引き継ぐこと。一歩一歩自身も成長していきながら、愛するほど、「大好き」という言葉を返してくれる園児たちを見守っていくつもりだ。